2005.03.18

【日本循環器学会2005速報】 日本人の高血圧を予測する高感度CRPの値は約0.1mg/L−−循環器疾患コホート研究

 日本人の高血圧を予測する高感度CRPの値は、約0.1mg/Lであることが分かった。自治医科大学循環器内科学の島田和幸氏らの研究グループが3月19日のポスターセッションで発表した。

 日本でも、高感度CRP(high-sensitive C-reactive protein)が高血圧の発症に関係していることが報告されている。しかし、その基準値については、欧米の10分の1ほどという目安があるのみで、定まったものはほとんどなかったという。

 研究グループは、大規模住民集団を対象としたプライマリケア医による循環器疾患コホート研究(注、JMS-Cohort Study)で、1992年から1995年の間に得られたデータを基に分析を行った。血圧の測定が行われていたのは1万1302人、高感度CRPが測定されていたのは6469人だった。今回の研究ではこの6469人が対象となった(男性2423人、女性4046人、平均年齢55.4±12.6歳)。

 6469人のうち、高血圧の人は1877人で、高感度CRPが測定されていた集団の29.0%だった。なお、高血圧の基準は、収縮期血圧/拡張期血圧が140/90mmHg以上とした。

 高感度CRPの4分位分析の結果、高感度CRPが0.03mg/L未満では高血圧の人が20%、0.03〜0.13mg/L未満では25%、0.13〜0.31mg/L未満では34%、0.31〜68.20mg/Lでは37%と、高感度CRP濃度と高血圧の人の比率が正相関していた。0.03mg/L未満のグループが高血圧になるリスクを1とした場合、それぞれの相対的リスクは、0.03〜0.13mg/L未満が1.34、0.13〜0.31mg/L未満では2.04、0.31〜68.20mg/Lでは2.34だった。

 高感度CRPの中央値は0.13mg/L。また高感度CRPは、収縮期血圧(重相関係数r=0.18、p<0.001)および拡張期血圧(r=0.16、p<0.01)とも関連していた。ROC曲線の分析から割り出すと、日本人の高血圧を予測する高感度CRPの値は約0.1mg/Lだった。

 これらの結果から研究者らは、「高感度CRP濃度は高血圧の発症リスクが高まるのに伴い増加していた。そのカットオフ値は約0.1mg/Lだった」と結論付けた。(三和護、医療局編集委員)

(注)JMS-Cohort Study:プライマリケア医による大規模住民集団を対象とした循環器疾患コホート研究。自治医科大学地域医療学センターが主導して進めている。1992年度より全国12地区で、老人保健法による検診の受診者を対象にコホートを設定し、調査開始時の基本情報を収集した。同様の作業を同一地域で3年間継続し、対象地域住民の80%以上の情報を収集することを目標として研究を展開している(詳しくはこちらから)。

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