2005.03.11

【裁かれたカルテ】 ネフローゼ症候群患者を診た医師に、血栓症発症を疑って検査すべき注意義務違反の判決

 1月、ネフローゼ症候群の患者の治療に当たっていた医師に対して、血栓症発症を疑って検査すべき注意義務違反があったとする判決が京都地方裁判所で下された。

 ネフローゼ症候群の治療のためにある総合病院(以下、被告病院)に入院した原告Uさんが、実際は静脈血栓症を発症していたのに、担当の医師が必要な検査などを怠ったために発見できなかったなどとし、4100万円余の賠償請求を求めていたもの。

 原告のUさんは、昭和57年生まれの男性。被告は、病院の経営する医療法人。
 
 Uさんは、まぶたが腫れたため、2000年2月3日、被告病院で検査を受けたが、病名は明らかにならなかった。その後、同月4日には足や体全体が腫れてきたため、近所のA医院にて診察を受けたところ、同医院の医師からすぐに被告病院に行くよう指示を受けた。Uさんは、同医院の医師が書いた「ネフローゼの疑いあり」との紹介状を持って、被告病院で診察を受け、同日、本件病院に入院した。

 被告病院でネフローゼ症候群と診断されたUさんは、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)であるプレドニンの投与などの治療を受けた。

 その後Uさんは、2000年3月27日、腎生検のために近隣の大学病院で診察を受け、同年4月3日、同病院に入院。結局、Uさんは、大学病院でネフローゼ症候群、肺塞栓、深部静脈血栓症と診断されたため、同年4月22日、血栓除去術および血栓が肺に到達するのを防止するための下大静脈フィルター留置術を、その翌日には、後腹膜出血止血手術を受けたのだった。

 原告Uさんは、被告病院の担当医師がUさんの血栓症発症を疑って必要な検査を実施していれば、大学病院での手術を回避できたなどとして提訴。これに対し、被告病院側は過失はなかったなどと争っていた(裁判所が認定した事件経過の詳細はこちら)。

 裁判の最大の争点は、担当医師がUさんの血栓症発症を疑っていたかどうかだった(詳細は有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」へ)。

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