2005.03.09

【脳卒中領域の最新知見に関する調査】「今後注目すべき病型」とその理由

 MedWaveが2月に実施した「脳卒中領域の最新知見に関する調査」の結果を続報する。調査は、国際脳卒中会議の速報サイトを開設したのに伴い実施した。2月3日から2月28日までに、MedWave登録医師135人から有効回答があった。

 調査では「今後注目すべき病型」を挙げてもらったが、「アテローム血栓性梗塞」が1位で、49.6%の人が回答していた(複数回答、図3、関連トピックス参照)。2位は「心原性脳梗塞」(38.5%)、3位は「ラクナ梗塞」(36.3%)だった。



 「今後注目すべき病型」の質問では、なぜ注目すべきなのか、その理由も尋ねている。本日は、今後注目すべき病型として上位に挙がったタイプごとに、主なコメントを紹介したい。

アテローム血栓性梗塞

・日本人の生活習慣の変化に伴い、今後も増加することが予測されるため(35〜39歳、一般病院勤務、内科)

・最も多く、適切な治療法を選択すれば回復可能であるから(35〜39歳、一般病院勤務、内科)

・メタボリック・シンドロームが増加していることから今後、アテローム形成が増加してくると思う(30〜34歳、一般病院勤務、内科)

・糖尿病をはじめとした動脈硬化危険因子が増加することで間違いなく今後の増加が起こると思う(40〜44歳、一般病院勤務、内科)

・発症頻度が高いから(45〜49歳、一般病院勤務、内科)

・食生活の欧米化で動脈硬化の人が増加傾向にあるから(30〜34歳、大学病院勤務、内科)

・治療開始まで時間的な余裕がある。局所血管の拡張療法や心拍出量の増加療法などまだ注目されていない部分が多いから(35〜39歳、一般病院勤務、内科)


心原性脳梗塞

・高齢化に伴い症例数が増えている。重篤なことが多い(30〜34歳、一般病院勤務、内科)

・高齢社会になって多くなってきたから(45〜49歳、診療所勤務、内科)

・心原性の脳塞栓は、高齢者の心房細動の増加に伴い増えている。脳梗塞に比較すると心原性の脳塞栓は肺梗塞同様重症例が多く、これをいかに防いでいくかが大変重要な課題と思っている(40〜44歳、診療所開業、内科)

・発作性心房細動などで生じる一過性脳虚血発作やラクナ梗塞が多いため(45〜49歳、一般病院勤務、内科)

・心房細動による脳梗塞が多いと感じる(55〜59歳、病院開業、内科)

・頻度が増加している(45〜49歳、一般病院勤務、内科)

・心房細動患者が増加している(45〜49歳、病院開業、内科)

・患者さんが増えているから(50〜54歳、一般病院勤務、泌尿器科)

・梗塞範囲が大きいから(50〜54歳、診療所開業、内科)

・高齢者の増加と、心疾患を持つ患者の増加があるから(50〜54歳、一般病院勤務、外科)


ラクナ梗塞

・大きな梗塞危険因子と考えられるから(40〜44歳、一般病院勤務、内科)

・高齢化とともに痴呆症(認知症)が多くなるが、その基礎にラクナ梗塞があると思う(45〜49歳、一般病院勤務、内科)

・画像診断で把握できる事例が増加しているから(50〜54歳、一般病院勤務、内科)

・ほとんどの人が持っているから(60歳以上、診療所開業、産婦人科)

・明らかな症状が少ないのに微小梗塞が進行しており、脳梗塞の発症にいたった場合に認知症の発現率が高く、その際はリハビリの指示が受け入れられないことが多い。また回復度が低いから(45〜49歳、一般病院勤務、内科)

・機能障害の発症に差が大きい(35〜39歳、一般病院勤務、内科)

・高齢化に伴い、無症候性脳梗塞の予防は、認知障害の予防にもつながり、やはり、いかにその無症候性脳梗塞を予防・治療するかが大切な時代を迎えていると考える(55〜59歳、診療所開業、内科)


一過性脳虚血発作

・再発を繰り返し脳梗塞を起こすが、予防可能であるから(50〜54歳、一般病院勤務、精神神経科)

・一過性脳虚血発作の段階で食い止められると障害が残らないから(30〜34歳、大学病院勤務、内科)

・症状の発現が一過性であるために充分な治療が行われていないのが現状であるため(30〜34歳、大学病院勤務、内科)

・進行を遅らせることが可能だから(55〜59歳、一般病院勤務、内科)

(まとめ;三和護、医療局編集委員)

■ 関連トピックス ■
◆ 2005.3.4 脳卒中領域の最新知見に関する調査】最近目立ってきているのは「アテローム血栓性梗塞」

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