2005.03.08

【第29回 九州リウマチ学会速報】 速効性だが重篤な副作用もあるレフルノミド、使用継続の迅速な判断が必要

 レフルノミドは初期投与量(loading dose)によって早期効果を得られるが、4週時のCRP改善率を参考に使用継続の是非を判別し、抵抗性症例は、生物学的製剤など他剤へ移行させるべき――産業医科大学第1内科の澤向範文氏は、レフルノミドを約1年間投与した関節リウマチ患者111症例の解析結果について、5日の一般口演「新規抗リウマチ薬の成績、レフルノミドと LCAP」セッションで報告した。

 対象は全例、原則としてレフルノミドのloading dose(100mg/日を3日間)を投与し、4日目以降は維持用量として20mg/日を投与した。他の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)は併用しないが、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)やステロイドの使用は可とした。

 効果の発現は4週でACR20が48%と迅速で、12週においても52%と大きな変化がなく、24週では41%とやや効果が減弱したものの、これを過ぎると48週でも41%を維持し、効果の長期持続性が認められた。患者背景としては、ステロイド使用量が2.4mgと少ない傾向があった。

 メトトレキサート(MTX)(平均使用量6.2mg)から切り替えた48症例においても早期から有効性を認め、効果が持続していた。CRPについては、12週で一時上昇が見られたが、その後改善していることから、理学的所見などから総合的に投与継続を判断すべきことを指摘していた。

 副作用はのべ55.9%に認めた。皮疹、掻痒感、肝障害、下痢、高血圧については10%以上の症例に発現していた。コレスチラミン投与を要するような重篤な副作用としては肝障害とカリニ肺炎が認められている。

 澤向氏らの解析によれば、ステロイド5mg以上の投与例では感染症の頻度が高く、特に注意が必要であり、可能な限りステロイド減量を試みたいという。副作用は8〜12週にかけて増加し、それを過ぎると比較的少ない傾向があったが、無効中止群の副作用は遅れて10〜16週後に増加していた。無効中止を早期に予測できる因子を検討したところ、4週におけるCRPの改善率が投与継続群で有意に高く、早期予測因子として有用だと考えられた。同氏はこれを参考に使用継続判別を行いたいとしている。

 澤向氏は、「骨破壊進行抑制のためには、関節リウマチ(RA)における初期治療は重要だ。迅速かつ適切なDMARDsの使用と次の治療へのスムーズな移行がカギになる」と総括した。

 同じセッションで、レフルノミドの至適使用法に考察を加えたながさき内科・リウマチ科病院の松岡直樹氏によれば、特に注意を要するとされている副作用は感染症、間質性肺炎、血球減少で、全国で5%以上と高頻度のものは高血圧、肝機能障害、薬疹、下痢だという。有害事象全般への影響因子として、ステージ4の症例、他剤の副作用、アレルギー歴、何らかの既往歴を有する者、loading doseを用いたもの、併用DMARDsなし、などの項目が挙げられるという。

 さらに、つい最近、市販後調査の死亡例報告に基づき、レフルノミドの使用との関連性が否定できない間質性肺炎の発症例について、厚生労働省の医薬品・医療用具等安全性情報に掲載された。全国集計では、高齢の男性、既往歴、喫煙歴があるもの、3.0以下の低アルブミン、そして間質性肺炎の既往が影響因子になるとされている。

 レフルノミドは海外データのブリッジングによって申請・承認された薬剤で、発売後1年半が経過したが、生物学的製剤の登場もあってか本学会における関連演題は3題にとどまった。いずれも1年以上の長期成績を解析したもので、すみやかな効果発現と持続が期待されるが重篤な副作用もないわけではない。

 従来のDMARDsとの比較で最大の特徴である速効性を得るためにはloading doseが必要だが、松岡氏らは、肝障害の増加を理由に現時点ではloading doseを推奨することはできないとするなど、現在でも至適使用法が模索されている中途との印象だ。(中西美荷、医学ライター)


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