2005.03.08

東大病院、4月から「マルファン外来」開設

 東京大学医学部附属病院は今年4月、遺伝性疾患の一つであるマルファン症候群の患者を専門に診療する「マルファン外来」を日本で初めて開設する。

 マルファン症候群は、身体の結合組織に異常が生じる病気で、出生児5000〜1万人に1例の割合で生じるとされる。骨格(漏斗胸、脊椎側彎など)、心血管系(大動脈瘤、大動脈解離など)、眼(水晶体偏位など)など身体各所に症状が表れるため、患者は複数の診療科で治療を受ける必要がある。

 今回新設されるマルファン外来は、内科、小児科、整形外科、眼科、心臓外科、呼吸器外科の医師がチームを組み、総合的に患者を診るのが特徴。東大病院としては初めて全面的に電子カルテを採用し、1患者1カルテを徹底する。診察日は毎週木曜日で、完全予約制。一人ひとりの患者に十分時間をかけて診療する方針だ。

 マルファン症候群の原因遺伝子はこれまでに、15番染色体にあるFBN1と、3番染色体にあるTGFBR2の2種類が分かっているが、未知の遺伝子も関与すると考えられており、遺伝子診断はまだ研究段階。マルファン外来では、やはり4月に新設される臨床ゲノム診療部とも連携して、変異遺伝子の特定や遺伝相談にも取り組む。

 マルファン症候群では大動脈の拡張が起こりやすく、破裂に至ると突然死の原因にもなり得る。そのため破裂のリスクが高まらないうちに適切なタイミングで手術を行う必要がある。東大病院では従来の人工弁に置換する方法に代わり、自己弁を温存する手術法で好成績を上げている。

 マルファン外来の設置を呼びかけた同大学心臓外科呼吸器外科教授の高本眞一氏は「カンファレンスなども各診療科が協力して行い、マルファン症候群のより良い治療につなげていきたい」と語っている。(北澤京子、医療局編集委員)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 「なぜ私が低評価?」人事考課の苦情に院長困惑 院長を悩ます職員トラブル大研究 FBシェア数:5
  2. 「AIに興味がある医師」を探し始めた病院の狙い 医師ヘッドハンティングの舞台裏 FBシェア数:4
  3. 長引く感冒を疾患クラスターで考える 毎回5分、初めての診断戦略 FBシェア数:13
  4. 患者が増えない… 院長が突き止めた原因とは 診療所経営駆け込み寺 FBシェア数:1
  5. 患者応対を改善させる「マジックフレーズ」 榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ FBシェア数:2
  6. 手指衛生、ちゃんとやってるのに、一体何が… わかる!院内感染対策 FBシェア数:108
  7. 原因はおやつ!身体のココを見れば分かる!? 胃カメラのおいしい入れ方 FBシェア数:85
  8. カルボシステインの薬疹は夜飲むと起こりやすい 松本康弘の「極める!小児の服薬指導」 FBシェア数:434
  9. ついに登場!希釈式自己血輸血 リポート◎自己血輸血に3つ目の柱、手術当日でも可能な新手法 FBシェア数:390
  10. 抗PD-1抗体投与後の1型糖尿病発症、実態は 学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 FBシェア数:95