2005.02.28

【編集委員の視点】 本格化する自治体病院の再編、あなたはチャンスを生かせるか?

 3月1日にオープンする高知医療センター。県と市の共同事業、PFI方式の導入などで注目され、自治体病院再編の目玉といえるこの病院前の3区画の土地には、それぞれ立て札が設置してある。いずれも、調剤薬局の開設予定地であることを示すものだ。病院の統合移転に伴い、薬局業界に新たなビジネスチャンスが生じたわけだ。

 2005年は、都道府県や市町村が開設する自治体病院の再編が本格化する年だと言っていい。旧来からの赤字体質や自治体の財政難に加え、市町村合併の動きが自治体病院の統合や民間委譲を加速させているからだ。これは薬局業界のみならず、周囲の病医院や医療関係者になにかと影響を与えるだろう。

 高知医療センターの場合は、高知市中心部にあった病院が5kmほど離れた場所に移転し、高度な医療サービスを提供する病院に生まれ変わる。外来診療は紹介患者を中心とする計画だ。ということは、高知市内の診療所には、新病院の立地を不便に感じる患者が戻ってくる可能性がある。また、軽症や慢性期の患者を受け入れている周辺の民間病院では、役割分担が図りやすくなって入院患者が増えてくるかもしれない。

 自治体病院の再編には様々なパターンがあるが、とりわけ民間委譲のケースは、大きなチャンスをもたらすものだ。例えば、大分県佐賀ノ関町の町立病院は、大分市への編入に伴って民間に委譲され、勤務していた医師らが医療法人を設立して譲り受けた。福岡県の県立病院の民間委譲では、3病院のうち2病院で地元医師会が委譲先に内定している。特に朝倉病院のケースでは、徳洲会や済生会、さらに地元の有力な医療法人を蹴落として地元の医師会が選ばれた。

 このように、自治体病院の再編は、周囲の民間病院や勤務医、医師会員である開業医に事業拡大のチャンスを与える。もちろん、それをものにできるかどうかは、引き受け先の経営手腕による。「大手の病院チェーンに進出されるよりは…」などという考えから、安易に名乗りを上げたりすれば、経営に失敗して多額の負債を背負うことになる可能性も否定できない。

 全国に約1000ある自治体病院の再編は医療界にどのような影響を及ぼすのだろうか――。厚生年金や社会保険の病院の動向とも併せて、しばらくは目が離せそうにない。(と)

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