2005.02.25

食物繊維をもっととろう! 啓発する団体「ファイバーアカデミア」が発足

 食物繊維に関する研究データの集積や、消費者への情報提供を行う学術団体ファイバーアカデミア(http://www.fiberacademia.jp)が2月24日発足した。食物繊維を、体内の老廃物や毒素を吸着して排出する“解毒”のための素材と位置付け、実践的な摂取方法を提唱していくという。

 今年、健康分野でブームとなりそうなのが「解毒=デトックス」。そのブームに乗って、食物繊維の健康効果を訴求していく考え。

 健康維持に必要な食物繊維の摂取目安量は1日20〜27g。これに対して、現在の日本人の摂取量は1日14.2g。目標量に比べて不足する6g以上の食物繊維の摂取を呼びかけていく。

 24日の設立式では、発起人の専門家らが講演を行った。

 腸内細菌に詳しい東京大学の光岡知足名誉教授は、1.食物繊維の摂取が多いほど大腸ガンのリスクが少ない、2.根菜やキノコ類などでたっぷりと食物繊維がとれる食生活を送る長寿村の人々では腸内の善玉菌が多く悪玉菌が少ない、3.欧米型の食事でも、食物繊維を加えるだけで腸内の腐敗産物は減る−−といった研究成果を発表。「現代人はあと6gといわず、10gくらいは食物繊維をとらなければならない」と語った。

 大腸内視鏡検査の専門家、松生クリニックの松生恒夫院長は、「便秘が逆流性食道炎の原因にもなっている」と指摘。

 「腹部に膨満感を感じる時、胃は腸からの圧迫を受けていて食道への逆流が起こりやすい状況になっているようだ。常習性の便秘患者の、実に約1割に逆流性食道炎の所見があった」という。「食物繊維の摂取で、胸焼けやげっぷといった逆流性食道炎の自覚症状は改善される」と続けた。

 美肌作りのための治療に取り組む青山メディカルクリニックの大木理香院長は、食物繊維摂取の肌への効果を調べた研究成果を発表した。

 10人の男女が3週間、7.5gの食物繊維入りのお茶を飲み続けたところ、肌の水分量や弾力に改善が見られた。また、この3週間の前後で、ビタミンC1g摂取後の血中ビタミンC濃度の経時変化を比較。3週間後には、血中ビタミンC濃度が上がりやすいことを確認した。

 「腸をきれいにしておくことで、サプリメントの吸収も良くなる」(大木院長)ようだ。

 ファイバーアカデミアの事務局は、食物繊維をはじめとする機能性素材を供給するダニスコジャパン(東京都新宿区)が運営事務局を務め、アサヒ飲料、アサヒ フードアンドヘルスケア、敷島製パン、日本製粉、ロッテ、ロート製薬の6社が賛同企業として加わった。

 これらの企業は今後、6g以上の食物繊維を配合した新商品を続々と発売する見込み。(小山千穂、日経ヘルス

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