2005.02.18

高齢化に関する論説 食の楽しみ・8020運動

 高齢問題をさまざまな世代の人と議論し解決策を見つけようとする「方円の器」の主宰者である江上尚志氏から論説が届きました。今回のテーマは、「高齢化に関する論説 食の楽しみ・8020運動」です。以下に紹介します。

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 「あなたは自分の歯を何本残していますか」と聞かれるとウッと詰まる人がいる。突然質問されたためだけではない。60歳以上になった私は親知らずは2本ともないが、犬歯に対応する下の歯も失って義歯になっている。高齢者の歯の本数をインターネットで検索すると「高齢者の食事とケアプラン」と題する拙文が2番目に出てくる。まだまだ高齢者の「歯の問題」まで関心が高まっていないのかもしれない。介護保険の制度見直しで健康体操などを取り入れるらしいが「歯の問題」はもっと優先順位が高いはずである。

 インターネットで検索した東京都葛飾区保健所の「8020運動」の文章を紹介しよう。「これは、80歳で20本の歯を残そうというものです。80歳で20本の歯があれば、しっかり食べられて健康的な生活を送ることができると言われています。また、高齢になっても、残っている歯がたくさんある人のほうが寝たきりになることも少なく、行動的に過ごせるというデータもあります。そして、お口の中に歯がほとんど残っていないと、食事もおいしくたべられませんね。おいしく食べて、いきいきと過ごすには歯は大事です」。

 続いて驚くべきことが紹介されている。「噛むことは唾液をいっぱいだしてガンの予防になるという研究発表もありますし、噛むことが脳の活性化につながり痴呆の予防にも役立つことが注目されてきています」。つまり、噛むことができなくなるとガンに冒されやすく痴呆(認知症)にもなりやすいと言わんばかりの内容である。確かに咀嚼能力が落ちると口の中が臭くなるばかりでなく、唾液の抗菌作用も失われていくようである。なんとしても美味しく食べてもらいたいという周囲の努力は実は非常に重要なことなのである。

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