2005.02.08

CDC、非職業上のHIV暴露後予防(nPEP)にHAARTの適用を推奨

 米国疾病対策センター(CDC)はこのほど、性交、薬物注射、外傷などによりHIVに曝露された可能性のある人には、72時間以内に強力な多剤併用療法(HAART)を開始し、28日間継続するよう推奨する指針を発表した。

 CDCは、動物実験や周産期母子感染予防を目的とする臨床試験、医療従事者の感染事故対策に関する研究、観察研究などの結果、曝露直後の抗レトロウイルス薬投与がHIVの感染率を下げることが明らかになったこと、また、サルのモデルを使った実験で、感染を予防あるいは進行を阻止する機会は、曝露後短期間に限られることが示されたことを受け、今回の指針を作成した。

 推奨されるHAARTは、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤のエファビレンツと、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤ラミブジンまたはエムトリシタビン、およびジドブジンまたはテノフォビル、そしてジソプロキシルを組合わせる方法と、蛋白質分解酵素阻害剤のロピナビルとリトナビルの配合剤「Kaletra」と、ラミブジンまたはエムトリシタビン、およびジドブジンを組合わせる方法のいずれかだ。エファビレンツは、妊娠している女性と出産可能年齢の女性は禁忌となっている。

 指針は、HIV陽性が判明している対象者から曝露を受け、感染リスクが大きい人が、曝露後72時間以内に受診した場合に、治療を推奨する。対象者がHIV陽性がどうか明らかではないが、感染リスクが高い人が72時間以内に受診した場合には、治療は推奨されないが、医師が個別に判断し、必要なら治療を行うよう求めてる。前提として、全てのケースで、抗ウイルス治療の危険と利益の評価が求められる。また、実際に感染リスクが高いと判断できない例と、72時間以内に受診しなかった例には、治療を勧めていない。

 副作用を考えると、28日間の服用継続は容易ではない。レイプの被害者は精神的なストレスも強いはずだ。しかし、治療の成功と、耐性株の出現回避のためには、指示通りの服用が必要だ。CDCは、個々に十分なカウンセリングを行うよう医師に求めている。さらに、安全なセックスとハイリスク行為を避けることの重要性を説き、再発防止を図るよう求めている。

 指針のタイトルは「Antiretroviral Postexposure Prophylaxis After Sexual,Injection-Drug Use, or Other Nonoccupational Exposure to HIV in the United States」、全文がCDCのウェブサイトで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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