2005.02.06

【国際脳卒中会議2005速報】 視野欠損伴う片頭痛がある女性は脳卒中リスクが7割増し

 片頭痛には、頭痛の直前などにきらきらした光が見えたり、視野が欠けたりする「前兆(オーラ)注」を伴う場合がある。このタイプの片頭痛の発症者は脳梗塞のリスクが高いことが既に報告されているが、前兆として視野の一部が欠ける症状がある場合には、脳梗塞を発症するリスクが特に高く、片頭痛を発症していない人の1.7倍にのぼることが新たに分かった。2月3日のポスターセッションで発表したUniversity of MarylandのLeah MacCLellan氏らが報告した。

 MacClellan氏らは、メリーランド州のボルティモアとワシントンDCを含む地域における脳梗塞の発症者386人と、年齢、人種構成などを合わせた対照群614人の計1000人の女性を対象にした人口ベースの症例対照研究を実施した。

 その結果、片頭痛がない群と比較した脳卒中発症のオッズ比は、高血圧、糖尿病、喫煙、経口避妊薬使用で調整した場合、前兆なしの片頭痛群では0.94で有意差は見られなかったが、前兆ありの群では1.59(CI:1.17-2.16)と多かった。なかでも、視野欠損を伴う前兆ありの群では1.70(CI:1.11-2.60)で、片頭痛がない群に対する脳卒中のリスクが7割増しであることが分かった。視野欠損を伴わない前兆ありの群はオッズ比が1.23だったが有意差はなかった。

 本研究のリーダーである米疾病対策センター(CDC)のWayne Giles氏は、前兆を伴う片頭痛がある場合、脳卒中リスクを高める要因、とりわけ喫煙には注意すべきだという。また、経口避妊薬についても、よく医師と相談し、利点とリスクを秤にかけてから使うべきだと警告している。

 なお、北里大学教授の坂井文彦氏らの大規模疫学調査によると、日本人の片頭痛有病率は8.4%、内訳は前兆を伴う片頭痛が2.6%、前兆を伴わない片頭痛が5.8%となっている。男女比は1:3.6で、女性の有病率は13.0%と多い。一般に欧米人の方が片頭痛の有病率は高く、Giles氏によれば、米国人女性の片頭痛有症者は約17%、前兆ありの片頭痛はその3割に当たる5%だという。(中沢真也)


*注) 前兆を伴う片頭痛を国際分類ではmigraine with auraと呼ぶ。「aura」は霊的な後光を意味する「オーラ」と同じ語だが、国内の頭痛専門家は「アウラ」と発音することもある。前兆はほとんどは視覚的な症状だが、手指のしびれ感なども含まれる。本研究では視覚的症状だけを調査している。

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