2005.02.03

85歳以上の高齢で発症する脳卒中、特徴の一端が明らかに

 85歳以上の超高齢で発症する場合の脳卒中像が明らかになった。秋田県脳卒中発症登録事業をもとに行った研究で、初回発症者を85歳以上と85歳未満にわけて比較したところ、85歳以上のグループの方が、高血圧や糖尿病などの脳卒中危険因子を持っている人の割合が少ないことが分かった。2月2日、ハンガリーの国立脳卒中センターのKrisztian Pozsegovits氏(写真)らが発表した。

 研究対象は、秋田県脳卒中発症登録事業で集積したデータ(研究時点8046件)で、そのうち85歳未満が7362件、85歳以上が684件だった。女性対男性の比率は、85歳未満が0.84、85歳以上が1.89。年間の発症率は、前者が人口10万人対222人、後者が10万人対1086人。

 両者の比較で顕著だったのは、85歳以上の場合、心房細動や心血管疾患を除いた、高血圧や糖尿病などの脳卒中危険因子を持っている人の割合が少ないこと。85歳未満では、高血圧が56.8%、糖尿病が17.4%、高脂血症が10.5%にみられたが、85歳以上ではそれぞれ47.0%、8.3%、4.1%に過ぎなかった。なお、喫煙とアルコール類の飲料についても同様で、85歳未満では33.7%、43.4%にみられたが、85歳以上では8.2%、17.4%だった。ただし、心房細動と心血管疾患については、85歳以上でそれぞれ26.9%、34.2%に確認されたが、85歳未満では15.0%、22.8%だった。

 脳卒中の病型にも違いがあり、85歳未満対85歳以上でみると、出血性が26.7%対20.6%、梗塞性が60.0%対73.2%、クモ膜下出血が13.3%対6.2%と異なる傾向がみられた。

 発症時の神経症状に注目すると、85歳以上がより重症で、意識障害を伴うものが85歳未満で29.9%だったのに対し45.5%と過半数近くに達した。運動マヒは、85歳未満の75.6%に対し85歳以上は86.4%あった。また発症から28日以内の死亡は、85歳未満の10.1%に対し、85歳以上では22.3%と高かった。

 研究では死亡に関しての予測因子も解析しているが、85歳未満、85歳以上とも意識レベルが強力な予測因子だった。病型では、双方ともクモ膜下出血が致死的であり予測因子として有意だった。

 また、28日以内の死亡に絞って解析したところでは、85歳以上で糖尿病の合併が有意に死亡リスクを高めていたが、その他の脳卒中危険因子は死亡の予測因子とはならなかったという。一方で、85歳未満では、心房細動、糖尿病が死亡の予測因子だった。

 これまで、症例数が少ないこともあり、85歳以上の脳卒中発症者の特徴を明らかにした報告はまれだった。今後の高齢社会の進展に伴い高齢での発症増加が予測されることから、その特徴を描き出すことは予防対策上、意義のあることに違いない。(三和護、医療局編集委員)

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