2005.02.02

介護予防で住環境ビジネスのニーズが拡大、鹿島建設の今井氏が予測

 鹿島建設建設設計本部医療福祉ナレッジマネジャーの今井一夫氏は、今後は、施設ケアと在宅ケアの中間にあたるような高齢者住宅のニーズが高まるとの見解を示した。1月28日に行われた日経BP社主催のセミナー「ヘルスケアフォーラム2005」のマネジメントセッションで述べたもの。

 同氏は、介護保険制度改革のキーワードは「介護予防」「施設居住費用の見直し」「地域密着型サービス」の3点であるとし、「トレーニングや栄養改善を行う地域包括支援センターのようなものが求められ、介護予防はまちづくりの概念とは切り離せなくなっていく」と語った。

 また、アンケート結果などから、2015年頃に高齢者となる「団塊の世代」の特徴は、雇用された経験のある人が80%に上ること、居住環境を重視する人が多いこと、在宅介護を希望する傾向があること――であると指摘。年30カ所程度だった高齢者住宅の開設が、介護保険法が施行された2000年以降に急増し2003年には200カ所を超えるまでになったというデータを示し、「これまでは症状の軽い人でも有料老人ホームに入るなどしていたが、これからは症状の重い人以外は施設ではなく高齢者住宅で介護に対応することになるだろう」と予測した。

 同氏は今後の高齢者住環境ビジネスのヒントとして、スウェーデンをはじめとした各地の高齢者集合住宅を紹介した。スウェーデンのシニア・コーポラティブ・ハウスという居住形態は、建築士や会計士などが入居人組合を作って資金調達などをし、住むケースが多いことから、「職能がある団塊世代に合う住まい方のひとつ」と紹介した。

 スウェーデンのイースタッドという港町に建てられた高齢者住宅は、各住戸だけでなく共用スペースにもキッチンがあり、共用スペースのキッチンではスタッフと入居者が向かい合って調理をし、栄養改善に取り組んでいる。さらに同町の高齢者住宅は既存の家並みに合わせた外観であることから、「住みなれた環境で生活し続けたいというニーズに合う手法」とした。(小沢京子、日経ヘルスケア21

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