2005.02.02

1日4g以上のナトリウム摂取は虚血性脳卒中の危険因子

 1日4g以上のナトリウム(食塩10.4gに相当)の摂取は、虚血性脳卒中の危険因子であることが分かった。Northern Manhattan Studyで明らかになったもので、2月2日、Armistead D Williams III氏(写真)らがポスターセッションで発表した。

 Williams氏らは、食事によるナトリウム摂取が虚血性脳卒中のリスクに及ぼす影響を調べるため、前向きコホート研究を行った。これまでに、ナトリウム摂取と血圧の間には独立した因果関係があることが分かっている。しかし、ナトリウム摂取と脳卒中の関係、あるいは、脳卒中と高血圧の発症リスクが高い多民族グループでの虚血性脳卒中リスクとの関係を明らかにした研究はほとんどなかったという。
 
 Northern Manhattan Study(注)は、55歳以上の地域住民を対象に、脳卒中の発生率、あるいはその危険因子を決定するように設計された進行中のコホート試験で、様々な成果を生み出しているものの一つ。

 今回の研究では、ナトリウム摂取については、改良食物摂取頻度調査アンケートへの回答をもとに割り出した。アンケートに回答した参加者は3183人で、1日の摂取量が4g以上(672人)、3〜4g(670人)、2.4〜3g(550人)の3グループと、2.4g未満(1291人)のグループで比較検討が行われた。なお、各グループのハザード比(HR) 、95%信頼区間は、Coxの比例ハザードモデルと多重ロジスティックモデルにより算出した。

 参加者のうち63%が女性、21%が白人、52%がラテン-アメリカ系、24%が黒人だった。ベースラインでは平均年齢は、69.6±10年だった。

 平均5.5年のフォローアップの間に、142例の虚血性脳卒中が確認された。年齢、性別、民族、高血圧、心臓病、糖尿病、タバコ歴、BMI、身体活動、アルコール飲酒、教育などの事項で補正後、ナトリウム摂取と虚血性脳卒中のリスクを比較した。その結果、1日の摂取量が4g以上のグループでは、2.4g未満のグループと比較して、虚血性脳卒中のハザード比が1.84(95%信頼区間、1.20-2.83)と危険が増大していた。ボーダーラインだったのは、3〜4gのグループで、ハザード比が1.22(95%信頼区間、0.77-1.95)だった。

 これらの研究結果から演者らは、「過度の食事ナトリウム摂取は虚血性脳卒中の危険を増大させることを強く示唆する」と結論付けた。(三和護、医療局編集委員)

(注)Northern Manhattan Study
 このコホート研究は、1993年から登録が始まった55歳以上の地域住民を対象とした前向きの研究で、2001年までに3298人の登録があった(脳卒中の既往例は除く)。平均年齢は69±10歳。女性の比率が63%と高く、また、白人21%、黒人25%、ラテン・アメリカ系54%という割合になっている。教育面では、54%はハイスクールを卒業していなかった。1997年からは毎年フォローアップスタディが進んでいる。

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