2005.01.29

【ヘルスケア2005速報】 「世界一の癒しロボット」としてギネスに認定されたあざらし型ロボット「パロ」

 現在、高齢者介護の現場では、QOL向上の一環としてさまざまな療法が試みられている。なかでも注目されているのがアニマル・セラピーだ。動物と触れ合うことで心の病の治療や予防、身体のリハビリテーションなどに高い効果を発揮する。

 しかし、本物の動物を使ったアニマル・セラピーを行なう場合、動物アレルギーや人獣共通感染症、噛み付きや引っ掻きの事故など、多くの問題に直面する。在宅ケアにおける導入でも、世話の問題やマンションにおけるペット飼育禁止などの壁がある。

 こうした問題の解決に役立つのが、産業技術総合研究所が開発した「パロ」だ。1993年に研究開発をスタートしてから、「セラピーロボット」としての機能はもちろん、安全性、耐久性、衛生面の改良を重ね、昨年秋、新たに設立したベンチャーである知能システムから発売した。この間、小児病棟や高齢者介護施設での実証実験を通じ、心理的効果や生理的効果、社会的効果が確認された。その結果、2002年には「世界一の癒しロボット」としてギネス世界記録の認定を受けている。価格は付属品込みで42万円(税込み)。

 パロには全身にセンサーが装着されており、視覚、聴覚、触覚、運動感覚などとして機能する。これによって、人や周囲の状況を感じ取り、あたかも心や感情があるかのように反応の仕方を変えたり、鳴き声を出したりする。

 たとえば、後ろから呼びかけると振り向いたり、瞬きをして表情が変わったり、頭や手足が動かして驚いたり、喜んだりして人の心を和ませる。朝・昼・夜で挙動が変わり、眠くなったり、活発に行動したりする。飼い主の好みの行動を学習する機能もあり、生きたペットとの触れ合いに近い効果を実現する。

 バーンアウト(燃え尽き症候群)についての評価を行ったところ、パロを導入した場合、介護者や看護師のストレス低減にも役立つことが明らかになったという。介護される側だけでなく、介護する側にもセラピー効果をもたらすパロの今後の活躍に期待したい。(成田龍、フリーライター)

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