2005.01.28

【エイズを見直す】「年間新規報告数が1000件を超える」の衝撃度

 1月26日、衝撃的な数字が発表された。エイズ動向委員会がまとめた年間報告(速報)によると、2004年の1年間に新たに報告されたHIV感染者は748件、エイズ患者は366件でいずれも過去最多だった。合計で1114件となり、年間報告数としては初めて1000件を突破してしまった(図参照、速報はこちら)。

 委員長コメントの中には、「異性間感染ではHIV感染の捕捉率が低い可能性がある。数字に表れていないHIV感染が示唆される」とのくだりがあった。異性間感染で、HIV感染者の割合がエイズ患者数に比べて低いことに着目したものだ。わが国のHIV感染の実態は、数字以上に深刻であることを再認識すべきだろう。

 昨年12月に開かれた日本エイズ学会で、わが国でのエイズ大流行の予兆を疑わせる数字が明らかになった。全国1600カ所以上の病院(産婦人科)から報告されているHIV感染妊婦の症例数が40件となり、前年度の報告数27例の約1.5倍に増えたというものだ。この2、3年、30例前後で推移し、前年度は27例と落ち着いていただけに、一挙に1.5倍の40例に増えたことは、まさに懸念すべき数字だった(関連トピックス)。

 HIV感染妊婦の症例数の急増に引き続き、今回の「年間新規報告数が1000件超」という結果が出たことは、日本でのHIV感染のコントロールが必ずしもうまくいっていない証左となる。もう一度、エイズ対策全般を見直す時期に来ている。(三和護、医療局編集委員)

■ 関連トピックス ■
◆ 2005.2.1 新規HIV感染者とエイズ発症者がついに1000人を突破

◆ 2004.12.9 エイズ大流行の予兆か、HIV感染妊婦の報告数が急増、前年度の約1.5倍に

◆ 2005.1.28 FDAがエイズ治療用抗レトロウイルス薬の後発品を仮承認、発展途上国に供与へ

◆ 2005.1.14 エイズを見直す】
日本の小児HIV感染者・AIDS患者にも、直面する緊急課題がある


◆ 2004.4.1 男性の亀頭包皮切除(包茎手術)はエイズ感染の危険を85%減らす−−インドでの研究で判明

◆ 2003.12.1 2003年世界の新たなエイズによる死者は300万人と過去最高に、WHO報告書

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