2005.01.21

阪大医学部に、代替医療の寄附講座が誕生 アミノアップ化学が3年間で1億5000万円を寄付へ

 大阪大学医学部に、補完代替医療(CAM)の“エビデンス”を追求する寄付講座「生体機能補完医学講座」が2005年1月に誕生した。CAMの寄附講座が国立大学の医学部に開設されるのは、金沢大学、山梨大学に続いて3例目。

 キノコ(担子菌)、シソ、大豆、ソバなどの機能性食品を事業化しているアミノアップ化学(札幌市、小砂憲一社長)が寄附して誕生した。教授には、大阪大学大学院医学研究科臓器制御外科の伊藤壽記助教授が就任した。

 同講座は、臓器制御外科教室を協力講座として、CAMを科学的に解明し、臨床試験によってその有用性を証明することを目的としている。国内外の補完代替医療分野の研究者との連携を図り、これまでの医療と補完代替医療との今度の関わり方を念頭に置いた研究活動を行う。

 当初の設置期間は3年で、成果によっては延長もあり得るとしている。アミノアップ化学は毎年5000万円、3年間で計1億5000万円を寄附する。

 伊藤教授は、「大学および関連施設での臨床試験を通じて、EBM(科学的根拠に基づいた医療)によるCAMの客観的評価を行う」とする。補完・代替医療と現代西洋医療の融合を目指している。

 担子菌菌糸体のサプリメントAHCCや、大豆抽出物と担子菌菌糸体を発酵したサプリメントGCPなどの生理活性物質を用いた研究では、消化器癌、炎症性疾患、糖尿病などの生活習慣病を対象とした二重盲検の臨床試験を計画。1年後をメドに、阪大のIRB(倫理委員会)の承認のもと、大阪大学医学部附属病院や関連施設における大規模な臨床試験となる模様。

 基礎研究は、全国レベルで共同研究を展開する。

 臨床医や研究者を組織化して、サプリメントのエビデンスを構築する取り組みは、アミノアップ化学が日本で最も進んでいるとみてよいだろう。

 国内外の医師・研究者を集め、約10年前から開催されているAHCC研究会は、年々参加者が増え、盛会が続いている。04年7月24〜25日に札幌で開かれた「AHCC研究会 第12回国際研究報告会」(AHCC研究会・財団法人基礎腫瘍学研究会共催、アミノアップ化学後援)には、350人ほどが参加し、うち医師・研究者は約150人を占めた。

 アミノアップ化学は、学会発表や展示会での出展を通した情報発信にも積極的に取り組んでいる。05年1月は、横浜パシフィコで21〜22日に開催の「統合医療展2005」(主催:CMPジャパン)と、東京ビッグサイトで26〜28日に開催される「サプリ&機能性食品2005」(主催:日経BP社)に出展する。

 国立大学の寄附講座は、1987年以来の臨教審第二次答申を受けて、社会との連携の充実や民間資金の円滑・適切な導入を目的として、寄附金による時限付きの特設が認められた。アミノアップ化学はこの制度を利用して、エビデンスの確立と医療機関で用いられるサプリメントの社会的地位の向上につなげたい考え。

 CAMをテーマとした国立大学の寄附講座は、すでに金沢大学と山梨大学の2大学にある。

 金沢大学大学院医学研究科に「補完代替医療学講座」が02年2月に開設されたのが第1号。石川県の財団である石川天然薬効物質研究センターが5年間で計1億5000万円を寄附する。

 次いで02年10月、山梨医科大学(現、山梨大学医学部)に「代替医療国際協力講座」が開設された。キノコのサプリメントなどを事業化している応微研(山梨県石和町、堀内勲社長)が5年間で計1億5000万円を寄附する。
(河田孝雄、医療局編集委員)

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