2005.01.14

子供の携帯電話使用は親が制限すべき、英国での安全性調査から

 British Medical Journal誌2005年1月15日号のNewsによると、英国放射線保護局(NRPB)は、最新の調査結果を基に、子供に携帯電話の使用を許可することに関して、親はもっと注意を払う必要があると述べた。

 新たな報告は、英国政府が設置した専門家委員会IEGMPが2000年に発表した報告の改訂版と言える。今回も携帯電話が健康を害することを示す決定的な証拠は得られなかったが、NRPB会長のWilliam Stewart氏は、新たな証拠は氏自身の懸念を高めるものだったと認めた。「電磁波の影響が明らかになるまでには、長い時間が必要だ。10年かかることもあり得る」と氏は述べている。

 NRPBは、携帯電話と基地局アンテナからの電磁放射が人体に与える影響に対しての一般の人々の不安を認識している。また、全面的に支持しているわけではないものの、携帯電話の電磁エネルギーに長期にわたって暴露されると認知機能への障害や癌の発生率上昇、DNAの損傷が起こる可能性を示唆した研究が存在することも認めている。

 今回の報告は、被害を受けやすいと考えられる人々、とりわけ幼い子どもに対する配慮を呼びかけている。「重大な責任を負うのは、親たちだ。子供に携帯電話の使用を許可する場合には、人体組織に吸収される電磁波のエネルギー量を示すSAR(比吸収率)がより低い機種を選び、通話よりメールを使うようにさせれば、影響は減らせるだろう」と述べている。ほとんどの携帯電話会社が個々の機種のSAR値を公表している。

 また、英国政府は、英国通信業界の監督機関Ofcomを通じて、基地局の電磁波の測定を行い、人体への影響の評価を進めている。

 原題は「Parents should restrict children's use of mobile phones, report says」、抜粋はこちらで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. いよいよ始まる「看護師による死亡確認」 トレンド◎厚労省が遠隔死亡診断のガイドライン FBシェア数:863
  2. 新天地を目指すベテラン50代医師たちの事情 トレンド◎増える50歳代のキャリアチェンジ FBシェア数:5
  3. 高齢者対象の高血圧診療ガイドライン完成 NEWS FBシェア数:254
  4. 動かなくなって気付く…左母指の重要性 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:32
  5. 高齢2型糖尿病患者の薬剤選択、どう判断する? 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:198
  6. 「脱水」は2つに大別して考える カデット特集●シーズン前に押さえよう 脱水の基本 FBシェア数:263
  7. 使い捨て医療機器は「再利用」から「再製造」へ インタビュー◎院内での中途半端な洗浄・滅菌はやめよう FBシェア数:196
  8. 患者指導にとって言葉は聴診器以上に大切だ 追悼◆日野原重明氏《インタビュー再録》 FBシェア数:991
  9. 80歳男性。右胸部に再発を繰り返す結節 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  10. 予約制で1日40人、念願のきめ細やかな診療実現 ルポ:50代の転職(3)◎完全予約制の小児科を開業 FBシェア数:102