2004.12.27

ナプロキセンの長期投与で心血管疾患・脳血管疾患イベントリスク増加の疑い、NIHが大規模試験を中止

 米国立衛生研究所(NIH)は12月20日、ナプロキセンの長期投与によって、心血管疾患や脳血管疾患イベントの発症リスクが増加する可能性があるとして、2001年から実施していたアルツハイマー病予防に関する大規模試験の中止を決めた。これを受けて米国食品医薬品局(FDA)では、現在 NIHと共同でナプロキセンに関するデータを再調査中だとした。その上で現時点では、消費者に対し、一般医薬品(OTC)のナプロキセンを服用する場合には、注意書きに従い、220mg1日2回の投与量を超えず、また10日を超えて服用する場合には医師に相談するよう勧告した。

 NIHでは、約2400人の被験者を対象に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)のアルツハイマー病予防効果に関する試験、「Alzheimer's Disease Anti-Inflammatory Prevention Trial 」(ADAPT)を行っていた。ADAPTでは被験者を3群に分け、celecoxib200mgを1日2回、ナプロキセン220mgを1日2回、プラセボを、それぞれ最長で3年間投与した。

 その結果、ナプロキセン群で、プラセボ群に比べ、心血管疾患や脳血管疾患イベントの増加が見られたという。一方celecoxibについては、ADAPTのデータからは同リスクの増加は見られなかったものの、17日に明らかにされたNIHの大腸癌予防に関する試験データから、 celecoxib投与群で心血管疾患イベントの発症リスクの増加が認められている。今回の結果を受けてNIHは、NSAIDを用いたNIHが支援する試験について、再調査を行うとしている。

 ナプロキセンは米国では1976年に承認を受け、94年からOTCとしては販売されている。日本でもまた、田辺製薬がナイキサン錠などとして、大正製薬がモノクロトン錠として販売するなど、併せて6社が販売している。

 詳しくは、NIHによるニュース・リリース、またはFDAのニュース・リリース、http: //www.fda.gov/bbs/topics/news/2004/NEW01148.html]まで。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 新天地を目指すベテラン50代医師たちの事情 トレンド◎増える50歳代のキャリアチェンジ
  2. キャリアチェンジは成功だった?失敗だった? 医師1000人に聞きました FBシェア数:2
  3. いよいよ始まる「看護師による死亡確認」 トレンド◎厚労省が遠隔死亡診断のガイドライン FBシェア数:1840
  4. 見落としていませんか、先端巨大症 Dr.ヨコバンの「ホンマでっか症例帳」 FBシェア数:38
  5. 新専門医制度の来年導入に反対、1560人の署名を… 医師を中心にネットで集まり、厚生労働大臣に提出 FBシェア数:153
  6. 上腕に埋め込まれた「避妊の棒」を抜き取るには 小林米幸の外国人医療奮闘記 FBシェア数:105
  7. 指導医療官から「犯罪者扱い」された院長 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:0
  8. 俺はいたって元気なんだけどなあ〜 医師の知らない?検査の話 FBシェア数:10
  9. 59歳女性。めまい 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  10. 高齢者対象の高血圧診療ガイドライン完成 NEWS FBシェア数:423