2004.12.20

磁気ブレスレットが骨関節症による腰と膝の痛みを軽減、RCTの結果から

 英国の研究者たちが、無作為割付比較対照試験を行い、一定の磁場強度を持つ磁気ブレスレットが骨関節症の痛みを有意に軽減できることを明らかにした。詳細はBritish Medical Journal誌12月18日号に報告された。

 磁気ブレスは、痛み軽減効果をうたって、世界中で年間50億ドル以上を売り上げている。が、その効果には議論がある。有効とする論文が複数ある一方、無効と結論した報告も複数ある。が、それらの研究には、用いられた磁石のタイプや磁場強度、治療期間、盲検の徹底度などに差があった。全体的な傾向として、有効とした試験には強い磁石、そうでない試験には弱い磁石が使われていた。

 そこで今回、市販されている磁気ブレスで痛みが軽減されるかどうかを調べた。用いたのは、標準的な強さの静磁場を生む二極磁石(ネオジム磁石で表面の磁場強度は170-200ミリテスラ)からなるブレス、弱い磁気ブレス(磁場強度21-30ミリテスラ)、無磁気のブレスの3つだ。それらに外見上の差はない。

 対象となったのは、骨関節症スコア(WOMAC A)が8-20点と比較的重度の、45-80歳の患者194人だ。12週間ブレスを着用し続け、その後WOMAC Aスコアを測定した。二次エンドポイントとして視覚アナログ尺度による評価も行った。

 その結果、標準的な強さの磁気ブレス群ではWOMAC Aスコアは平均2.9減少、無磁気ブレス群では1.6減少となり、1.3の差があった。この値は、COX-2阻害剤を含む最先端の骨関節症治療薬を同様の期間投与した臨床試験で見られた差とほぼ同様である上、効果は通常の治療に付加的に現れることが示唆された。また、効果を得るためには磁場強度が一定以上必要が示唆された。

 ブレスの価格は58-96ドルでほぼ永久的に使用できるため、他の治療に比べコストは非常に安い。今回の試験では、被験者の重症度が比較的高かったこと、特定の人種に限られたこと、そして効果の特異性は示唆されたもののプラセボ効果を否定できていない点などに留意する必要はある。が、これだけの成績が得られるなら、ペースメーカー装着者など磁気を避けるべき人以外は、磁場強度の明らかな磁気ブレスレットを試してみても良いのではないか。

 原題は「Randomised controlled trial of magnetic bracelets for relieving pain in osteoarthritis of the hip and knee」、全文がこちらで閲覧できる。 
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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