2004.12.20

「Polymeal」ダイエットで心臓血管系疾患リスクが75%以上減少

 2003年、British Meidical Journal(BMJ)誌に「Polypill」は心臓血管系リスクを80%以上減少させるという論文が掲載された。その中で、いずれも効果と安全性が確認されている、アスピリン、葉酸、スタチン、降圧剤など6剤を1錠にまとめた錠剤を心臓血管系疾患予防薬として用いることが提案された。しかし、長期使用によるコストと副作用の可能性などが広範な適用を妨げている。これに代わる安全で”おいしい”戦略として、オランダなどの研究者らが提案したのは「Polymeal」だ。詳細はBMJ誌12月18日号に報告された。

 研究者たちは文献を頼りに、エビデンスに基づく医学と同様の概念に基づいて、エビデンスに基づく「Polymeal」レシピを決めた。個々に心臓血管系疾患予防に有効と報告された食品を調べ、ワイン、魚、ダークチョコレート、果物と野菜、ニンニク、アーモンドを選んだ。

 それぞれの食品のリスク減少効果は以下の通りだ。ワイン150ml/日が32%、週4回114gの魚は14%、ダークチョコレート100g/日は21%、計400g/日の野菜と果物は21%、2.7g/日のフレッシュ・ニンニクが25%、68g/日のアーモンドが12.5%。

 次に、「Polypill」の論文で用いられたと同様の方法で、これらを組合わせた場合の効果を計算した。Framingham心臓研究の被験者たちのデータに基づいて作成された生命表に「Polymeal」の効果を適用した。その結果、「Polymeal」は50歳以上の一般集団の心臓血管系疾患の発症率を76%減らすことが示された。男性の場合、推定余命年数が6.6年伸び、心臓血管系疾患とは無関係な生活は推定で9.0年延長、女性ではそれぞれ4.8年、8.1年となった。

 今回、心臓血管系疾患の予防効果を示す十分な証拠がある食品は他には見つからなかった。従って、オリーブ油やダイズなどは追加しても大きな効果は得られないだろう。それより1時間のウォーキングの方が有効と考えられる。また、「Polypill」と「Polymeal」を併用することも可能だ。

 ニンニクの臭いを除いて、「Polymeal」には副作用は予想されない。従って
「Polymeal」は、薬剤を用いない、安全かつ安価でしかも美味な「Polypill」の代替であることが明らかになった。

 原題は「The Polymeal: a more natural, safer, and probably tastier (than the Polypill) strategy to reduce cardiovascular disease by more than 75%」、全文がこちら(PDFファイル)で閲覧できる。 (大西淳子、医学ジャーナリスト)

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