2004.12.19

NIHがCelebrexの癌予防に関する治験を中止、冠動脈性心疾患イベントリスクの増大明らかに

 米国立衛生研究所(NIH)は12月17日、選択的COX2阻害薬Celebrex(成分名:celecoxib)の大腸癌予防に関する治験を中止することを決めた。これまでの治験データから、プラセボ群に比べ、Celebrex投与群で心血管疾患イベントの発症リスクが2.5倍以上になることが明らかなったため。

 米国食品医薬品局(FDA)もこの結果を受けて、この研究結果のみからはまだ具体的な規制は行えないとし、早急に全ての現在進行中の Celebrexに関する研究データを入手した上で、できるだけ早く適切な判断を下すとした。その上でFDAは、医師に対し、Celebrexの処方にあたっては、そのリスクと効用について評価し、Celebrex以外の治療薬について検討することを勧告している。また、医師の判断でCelebrexの投与を継続する場合には、効果のみられる最低用量を投与するよう勧めている。

 この治験は、「Adenoma Prevention with Celecoxib 」(APC)と呼ばれ、腺腫様ポリープの切除を行った2000人以上の人を対象にしたもので、celecoxib投与による癌予防効果を調べるのが目的だった。被験者は無作為に3群に分かれ、celecoxib200mgを1日2回、同400mgを1日2回、またはプラセボを、それぞれ服用した。その結果、冠動脈性心疾患イベントの発症リスクが、プラセボ群に比べ、400mg群では3.4倍、200mg群では2.5倍に増大することがわかったという。平均の治療期間は33カ月だった。APCは主に米国の他、英国、オーストラリア、カナダで行われており、2000年に開始し、2005年の春まで行われる予定だったという。

 NIHでは、celecoxib の癌や痴呆などの予防効果に関する40以上の治験を支援しているという。今回の研究結果を受けてNIHは、同クラスの薬を用いた治験でNIHが支援するもの全てについて、再調査を行うことを決めた。

 Celebrexの販売元は米Pfizer社(ニューヨーク)。詳しくは、NIHのニュース・リリースまで。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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