2004.12.17

【解説】2004年医療界回顧(その1) 混合診療問題乗り切った植松執行部、2005年は真価試される年に

 「就任当初に比べ、だいぶ表情が和らいでいた」――。11月下旬、植松治雄・日本医師会会長に面会した関係者の感想だ。前途多難かと思われた植松執行部だが、まずまずの新年を迎えることができるだろう。

 大阪府医師会出身の植松氏は、北海道・東北ブロックなどが推した青柳俊・前日医副会長と激しい選挙戦の末、4月に日医の新しい会長に当選した。その際のしこりに加え、日医総研やORCAなど前執行部時代からの問題もあり、8月末の臨時代議員会では一部の会員から強い批判を浴びた。

 だが、代議員会をなんとか乗り切ってからの歩みは、比較的順調だったと言えるだろう。ここへきて、秋になってから急浮上した混合診療の解禁問題も、規制改革・民間開放推進会議が目指した「原則解禁」は阻止することができ、植松氏の表情はさらに和らいでいるに違いない。多少時間はかかったが、これから“安定飛行”に入ることができそうだ。

 もっとも、中央社会保険医療協議会およびそのあり方を議論する組織を、厚生労働省の内部に置くか外部に置くかという問題も新たに浮上してきた。「一山越えればまた一山」で、ゆっくり骨休めができるという状況ではなさそうだ。

 来年はこれらに加えて、診療報酬の改定や医療法の改正など、医療界の根本にかかわる問題が浮上してくる。規制改革がらみの問題では厚労省と共闘できたが、来年は利害が相反する部分も出てくることになりそうだ。

 実はこうした場面でこそ、植松執行部の真価が問われることになるだろう。植松氏は大阪府医師会出身だけに、本来は中央による官僚統制には反感を持つタイプのはずだ。厚労省と日医が対立する構図になった際は、坪井前執行部に対して行ったように、激しいぶつかり合いが予想される。

 このところ、政策決定において日医は厚労省に負け続けている。これは、現場の医師のやる気や自信の喪失にもつながりかねない。「強い日医」を望む医師も少なくないはずだ。大阪人ならでは反骨心を発揮して厚労省に「もの申す」ことができるかどうかは、再選への道を大きく左右することになるだろう。
(井上俊明、医療局編集委員)

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