2004.12.16

1型糖尿病の発症率増加は遺伝より環境が原因の可能性、約700人の研究結果

 世界中の1型糖尿病の発症率は、ここ半世紀で増加してきているが、その原因は遺伝子よりも環境因子にあるとする仮説を指示する研究結果が出た。これは、英国Bristol大学のKathleen Gillespie氏らの研究グループが、約50年前に診断を受けた1型糖尿病患者と、近年診断を受けた患者、合わせて約700人について、1型糖尿病の発症リスクに関与するHLA(ヒト白血球抗原)ハプロタイプについて調べ明らかにしたもの。この研究結果は、Lancet誌11月6日号で発表された。

 これまでの研究結果から、1型糖尿病の発症と、特異的HLA-D表現型の間には、強い相関関係があることが分かっている。Gillespie氏らは今回、現在50歳以上で1922〜46年の間に1型糖尿病の診断を受けた患者194人と、1985〜2002年に同診断を受けた582人について、特異的HLA-D表現型を持つ割合を調べた。

 その結果、1型糖尿病の危険因子として知られているHLA遺伝子型DR3-DQ2/DR4-DQ8が見つかったのは、約50年前に診断を受けた群では47%だったのに対し、最近診断を受けた群では35%に減っていた(p=0.003)。さらに5歳未満で診断を受けた人について見てみると、HLA遺伝子型DR3-DQ2とDR4-DQ8は、約50年前に診断を受けた群では63%だったが、最近診断を受けた群では42%に留まった(p=0.03)。

 こうした結果から同グループは、ここ半世紀の1型糖尿病発症率の上昇は、遺伝的要因ではなく、環境要因によるものであるという仮説が指示されたと結論付けた。

 詳しくは、Lancet誌(11月6日号)まで。(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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