2004.12.13

社保審・介護保険部会が被保険者・受給者の範囲拡大を先送りする意見書案、今後の実施時期については玉虫色の表現に

 厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会は12月10日、介護保険制度の被保険者・受給者の範囲拡大の結論を先送りする意見書案をまとめ、今年9月から行ってきた議論を終了した。同部会では、2006年4月の介護保険法改正に伴い、介護保険料の徴収対象を現行の「40歳以上」から引き下げるとともに、介護保険と障害者支援費制度を一本化して給付対象に若年障害者を加える改正案について検討を重ねてきた。

 意見書案では、被保険者・受給者の範囲拡大により「現行制度の普遍化」を目指すべきとする賛成意見が多数だったことに触れる一方で、導入後1年しか経っていない障害者支援費制度の検証を優先すべきとする反対意見も併記。事実上、被保険者・受給者の範囲拡大に関する結論を見送った。また、今後、範囲拡大の結論を出す時期については、政府が現在検討している社会保障制度全般の一体的見直しの進ちょく状況を踏まえ、「円滑な制度改革を図ることが重要」とするにとどめ、明確な時期を示さなかった。

 これに対して、改正案を支持してきた介護関連業界などの委員は「明確な実施時期を盛り込むべきだ」と不満を表明。一方で、反対派の経済界などの委員は、早期に結論を出すことを示唆される「円滑な制度改革を図ることが重要」という文言を削除することを求め、最後まで意見が対立した。最終的にこれらの要望を意見書にどのように反映するかは、部会長の貝塚啓明氏(中央大学法学部教授)に一任された。厚労省は、この意見書がまとまり次第、与党との調整を開始し、年明けから始まる通常国会に介護保険改革法案を提出する予定だ。
(豊川琢、日経ヘルスケア21
 

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