2004.12.13

勃起不全は冠動脈疾患のリスク因子かもしれない

 British Medical Journal誌12月11日号のNews extraは、先頃行われた欧州性医学会で報告された勃起不全(ED)に関わる最新の話題を紹介している。話題の中心は、EDと冠動脈疾患の関係だ。近年、EDと心臓血管系疾患がリスク因子を共有することが指摘され注目を集めてきたが、実はEDは心臓血管系疾患の独立したリスク因子である可能性が示唆されたという。

 まず、ギリシャの研究者らは、予備的な研究としてED患者26人に血管造影を行い、無症候性の冠動脈疾患の患者が23%もいることを発見した。一般集団の罹患率は4%であるため、ED患者に対する心臓血管系疾患スクリーニングの必要性が示唆された。

 イタリアの研究者らは、慢性狭心症と多枝冠動脈疾患の患者のED罹患率は66%と高く、逆に1本の血管のみの狭窄による急性心筋梗塞の患者のED罹患率は18%と低いことを発見した。さらに、急性心筋梗塞の既往がある人の多枝冠動脈疾患リスクを比較したところ、ED患者の場合にはそうでない男性の6倍となった。研究を率いたMontorsi氏は「EDは、冠動脈疾患悪化の予測因子として有用かもしれない」と述べた。

 心臓疾患以外の話題も取り上げられている。

 イタリアで行われた研究は、EDと喫煙の関係を明らかにした。860人の中年男性を対象とした試験で、ED患者の40%はいわゆるヘビースモーカーだったが、勃起能力が正常な集団におけるヘビースモーカーの割合は4%で、喫煙の害が明らかになった。

 英国London大学は、特定の病気に起因するEDに対する新治療薬開発の進展を発表した。高年齢でEDの糖尿病患者の場合、30-40%はレビトラ、バイアグラといったPED-5阻害剤を含む既存のED治療薬に反応しない。その原因の一部は、糖化最終産物(AGE)の陰茎海綿体への蓄積にある。そこで、AGEを分解する新たな化合物、ALT-711を糖尿病ラット・モデルに投与したところ、勃起能力が向上したという。

 原題は「Erectile dysfunction may be an early sign of heart disease,suggests new research」、全文がこちらで閲覧できる。
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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