2004.12.13

乳癌診断、MRIはマンモグラフィーより有効だが生検無しとするには不十分

 日本ではやっと、自治体の乳癌検診に視触診とマンモグラフィーの併用が導入され始めたところだ。一方米国では、40代女性を対象とするマンモグラフィーに死亡率減少効果なしとする研究結果が発表されて以来、議論が続いている。その代替として、欧米ではMRI検査が広く実施されるようになった。MRIで乳癌が見つかった患者の27-37%は、マンモグラフィーでは検出できなかったという報告もある。British Medical Journal誌12月11日号のNewは、乳癌診断におけるMRIの精度を調べたJAMA誌最新号の論文を紹介している。

 これによると、国際乳房MRIコンソーシアムの研究者たちは、米国と欧州の14の医療機関で、マンモグラフィーまたは臨床所見により乳癌が疑われ、生検を受けることになった女性821人を対象に、MRI検査の制度を評価し、JAMA誌(2004;292:2735-2742)に報告した。患者たちは、生検前に高解像度の三次元MRI検査を受けた。その結果、乳癌が疑われた患者にはダイナミックMRIも行われた。

 MRIは、非浸潤性乳管癌と浸潤性乳癌の患者404人のうち356人を検出できた。感度は84.6%、特異性は67.7%だった。その能力は、マンモグラフィーで見られる乳房のdensity、癌の組織学的性質、閉経前か後かに影響されなかった。MRIの陽性的中率はマンモグラフィーに比べ有意に高かった(72.4%と52.8%)。しかし陰性的中率が85.4%だったことから、MRIは、生検を不要にできるレベルの効果は持たないことが示唆された。

 BMJ誌の報告の原題は「MRI does not reduce biopsies in diagnosing breast
cancer」、 全文がこちら(PDFファイル)で閲覧
できる。また、JAMA誌の論文の原題は「Magnetic Resonance Imaging of the
Breast Prior to Biopsy」、要約はこちらで読むことができる。 
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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