2004.12.08

【解説】開業に欠かせぬパートナー、調剤薬局と“出会う”には

 今や、開業する際に院外処方を選択するのはごく当たり前になってきた。その場合、面分業が広がっているとはいえ、まだまだパートナーとなる門前薬局を探して分業するケースが主流だろう。

 小規模な診療所だと、大手チェーン薬局は採算面から出店に二の足を踏むケースが多いはずだ。そこで中小規模や個人経営の薬局に出店してもらうか、あるいは薬剤師に開局してもらうことになる。

 その際、何を重視して相手を選ぶべきなのか。調剤技術や説明能力はもちろん、自分の医療に対する理念に共鳴してくれ、患者への思いやりがある薬剤師・薬局が好ましい。チェーンの場合は、薬剤師にこうした点の教育を十分施しているところを選びたいものだ。

 では、いったいどうすれば、自分にふさわしい相手にめぐり合えるのか。勤務医の職場には、普通同僚の薬剤師がいる。日常的に接している製薬メーカーのMRや医薬品卸のMSにも薬剤師は少なくない。勤務先が分業していれば薬局勤務薬剤師とのつながりもある。

 一般に、薬局経営者として成功するのは、MRやMS出身の薬剤師だと言われている。あるコンサルタントは、「在庫管理や人の使い方、業者との交渉などに秀でている」と言う。日頃のつき合いから言って、医師の方から開局の誘いをかけやすい人たちでもあろう。

 一方、同じ職場で働いているにもかかわらず、規模の大きい病院となると、勤務薬剤師と勤務医とが気心の知れるような間柄になる機会は、意外に少ないという。接触する機会がさらに少ない薬局勤務薬剤師とはなおさらのことだ。

 身近なところで“手を打つ”のもいいが、もっと広い範囲から相手を探す方法もある。中にはいずれは自分で開局したいと薬局チェーンで勉強して、医師との出会いを探している意欲のある薬剤師もいる。メーカーが主催する勉強会に参加したり、薬剤師向けの人材サービス会社を利用したりすれば、こうした人と出会うチャンスは広がってくる。

 もっとも、“出会い”はどこに転がっているかわからない。勤務医時代に調剤薬局からの疑義紹介に返答したのをきっかけに信頼関係が芽生え、開業時にその薬剤師に開局してもらった例もある。

 患者の自己負担増や後発品の普及などを考えれば、診療所にとって、医療のパートナーである調剤薬局の重要性はますます高まってきている。相手選びを誤ると、それこそ一生の不覚になりかねない。
(井上俊明、医療局編集委員)

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