2004.12.08

日立、溶液や培地などの計測情報を無線伝送できるユビキタス・センサーを開発

 日立製作所は12月6日、配管内の溶液の温度やpHなどを計測して非接触でデータを伝送できるRFID(Radio Frequency Identification)センサーを開発したと発表した。食品の生産工程や無菌的な培養容器内の状態を監視するのに適している。今後、小型化や安全性の確認などが進めば、人体内の利用などユビキタス(場所を選ばない)デバイスとして期待が持てる。

 試作品はカード型でセンサー、RFID、通信、その他の処理を行う回路を搭載している。電力は電波照射によって供給し、データは無線送信するため、電力ケーブルや信号ケーブルが不要なのが大きな特徴だ。

 小型化にはセンサー機能を実現するアナログ回路とデータ処理を行うデジタル回路を混載したICが必要になる。今般、日立は温度センサー、イオンセンサー、ひずみセンサーを含む半導体チップを新たに開発した。試作チップでは−30〜120℃の範囲で精度0.5℃の温度計測とpH値4〜9の範囲の水素イオン濃度計測が可能だという。

 配管内にセンサーを設けると渦流が発生する。牛乳のような食品を流す場合、このような渦流によるよどみが生じ、細菌汚染などが起きる可能性がある。接触・接続が不要なセンサーデバイスなら、こうした問題を最小限に抑えることができる。センサーを留置せず、カプセルに収容したセンサーを上流から下流に向けて流し、必要個所にアンテナを設けてデータを収集するといった利用法も考えられる。

 今後、小型化が実現すれば、のみこんで消化管内の状態を監視したり、ペースメーカーやステント、人工関節などの人工臓器に装着し、劣化の検出に使うといった医療応用も考えられる。ただし、「当面、人体への応用は検討していない。雑菌汚染防止などの要望が強いバイオ分野の培養実験の状態監視などへの応用や食品生産工程監視などの応用を想定している(日立)という。

 日立製作所のプレスリリースはこちらまで。(中沢真也)


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