2004.11.29

■ 事件の経緯

<被告病院への入院まで>

・1996年7月末ごろ:Gさんに上腹部から下胸部にかけての疼痛が現れた。

・8月6日:Gさんは、A病院を受診。超音波検査(US検査)により、胆石と胆のう壁の肥厚が確認され、胆石症と診断された。

・9月9日:Bクリニックに通院して治療を受けていたGさんは、上腹部痛が再発したため、同クリニックから紹介を受けた被告病院の内科を受診した。同日の外来診療において、Gさんは、胆石症と診断された。

・9月10日:被告病院での外来診療時、M医師の下でUS検査が実施され、胆石と胆のう壁の肥厚が確認された。この際確認された胆のう結石の大きさは14.1mmであったという。

<入院から死亡に至るまで>

・9月11日:Gさんは、胆石の精査と手術を目的に被告病院に入院した。主治医は、内科のC医師(消化器内科が専門)だった。

・9月13日:再びUS検査が実施され、直径18.5mmの大きさの胆のう結石が確認され、総胆管径の拡張も認められた。
C医師は、総胆管造影のため内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査(ERCP検査)を9月20日に実施することを決めた。9月19日付けで、Gさんとその子どもは、GさんがERCP検査を受けることに同意。同意書に署名、押印した。

・9月20日:被告病院は、Gさんに対してERCP検査を実施した。検査開始直前に、膵炎予防のため、抗酵素剤FOY(100mg)1バイアルをソリタT3(点滴維持液)500mlで希釈した溶液を2本、持続点滴した。
 C医師は、内視鏡下にカニューレを十二指腸乳頭開口部から挿入し、造影剤を注入して膵管の造影をした後、胆管の造影を試みたが、結局、胆管像を得ることはできず、膵管のみの造影で検査を終了した。
 検査終了後、Gさんは、軽度の胃部不快感を訴え、同日午後7時から腹痛と嘔気を訴え、少量の嘔吐も見られた。そこで、C医師は、鎮痛剤を投与した。
 同日午後10時の診察時点で、Gさんには腹痛と腹部膨満感があり、嘔気が強かったことから、C医師は、急性膵炎の発症を疑った。
 午後10時20分、胃管を挿入して胃内容物を吸引し、午後10時30分からFOY(100mg)2バイアルをソリタT3・500mlで希釈した溶液で持続点滴を開始した。

・9月21日:当直のD医師の回診時、Gさんの上腹部痛は続いていた。同日実施された血液検査の結果、血清アミラーゼ値が3311IU/l(正常値は80ないし200)との高値を示した。
 同日には、朝の6時30分からFOY(100mg)2バイアルをソリタT3・500mlで希釈した溶液で持続点滴し、さらに、午後1時20分に抗酵素剤ミラクリッド(5万単位)1バイアルをソリタT3・500mlで希釈した溶液を持続点滴した。その後、午後7時にFOY(100mg)2バイアルをソリタT3・500mlで希釈した溶液で点滴した。

・9月22日:Gさんは朝から腹痛が続いていたが、発熱はなく、血圧は正常だった。しかし午後5時25分ごろから発汗が認められ、血圧が低下傾向となり、当直医師が診察に当たった。
 同医師は、腹部CT検査を指示し、C医師への連絡を指示した。
 午後8時ころ、Gさんは血圧が5mmHgと低下し、ショック状態となった。
 午後8時40分、CT検査が実施された結果、腹水の貯留が見られた。その直後、C医師が到着した。C医師は、Gさんの症状から、重症膵炎と診断した。
 午後9時50分、C医師は、中心静脈ルートを確保し、同ルートから昇圧剤の投与を開始し、さらに、胃内減圧の目的で経鼻胃管を挿入し、午後10時49分には、Gさんを集中治療室(ICU)に移した。

・9月23日:Gさんは、多臓器不全となり、9月24日から人工呼吸が開始され、9月26日からは人工透析がされた。

・11月5日:Gさんは、膵炎の影響によって、呼吸不全に陥り、昏睡状態となって、11月10日7時10分、死亡した。

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