2004.11.29

妊婦の拡張時血圧と出生児の体重および周産期死亡率に相関

 英国の研究者らが、妊婦の拡張期血圧(最小血圧)と出生児の体重および周産期死亡率の関係を調べるために、英国の妊婦21万814人のデータを調べた。その結果、妊娠期間中に記録された拡張期血圧の最高値が70〜90mmHgにある場合に、出生児体重が最大、周産期死亡率が最低になることが示された。詳細は、British Medical Journal誌電子版に11月23日に報告された。

 妊婦の高血圧は母子の死亡を引き起こす可能性がある。しかし、低血圧の影響は明らかではなかった。そこで研究者らは、1988年から2000年までに初産で単生児を得た妊婦の検診結果と出生児に関する情報をデータベースから得た。

 その結果、20週まで高血圧と蛋白尿が見られなかった母親から産まれた子供の平均体重は3282gだった。妊娠期間中の拡張期血圧は一般に、妊娠34週から40週にかけ徐々に上昇した。34週までの血圧と出生児の体重には相関は見られなかった。しかし34週以降の拡張期血圧の最高値を横軸に、出生児体重を縦軸にとると、明らかな逆U字型の相
関が示された。最適値である80mm Hgを中心に、体重は、血圧が低くなれば少しずつ減少、高くなれば著しく減少した。

 周産期死亡率は、拡張期血圧の最高値と強力に相関していた。血圧の最高値が87.2mmHgの時に死亡が最も少なく、それよりも高い場合と低い場合に死亡率は上昇した。横軸を血圧、縦軸を死亡数としたグラフは、87.2mmHgを中心とするU字を描いた。周産期死亡の11.4%で母親の血圧は適正範囲外にあり、その9割以上が低血圧の状態にあった。

 34週以降の血圧上昇は生理的なものと見られるが、今回のデータは、これが胎児の成長にプラスに働く可能性を示唆した。

 論文のタイトルは「Maternal blood pressure in pregnancy, birth weight, and perinatal mortality in first births: prospective study」、全文がこちら
(PDFファイル)で閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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