2004.11.26

【再掲】大塚製薬、シミ・ソバカスを薄くする新成分を開発、医薬部外品の美容液を05年に発売へ

 大塚製薬(東京都千代田区)は、シミ・ソバカスを薄くする新薬効成分の効能効果を10月19日、厚生労働省から取得した。新しい薬用成分は「エナジーシグナルAMP(成分名はアデノシン1リン酸2ナトリウムOT)」。

 エナジーシグナルAMPは、皮膚の表皮のエネルギー代謝を促進し、ターンオーバーを促すことでメラニンを体外に排出し、シミやソバカスを薄くする。この作用機序は、メラニンの生成を抑制する既存のシミ・ソバカス対策成分の作用機序とは全く異なる。

 人間の肌の表皮は最深部の基底層で作られ、徐々に表面に向かって移動し、最後に肌表面で垢(角質)となってはがれ落ちる。これを一定期間で繰り返し行っており、ターンオーバーと呼んでいる。

 シミやソバカスは、紫外線から肌を守るためにメラノサイトが出したメラニンが蓄積したもの。若い肌では、蓄積したメラニンはターンオーバーによって体外排出されるためシミになりにくいが、年を取ると細胞の代謝活動が衰え、ターンオーバーの期間が長くなってメラニンが肌に残り、シミが目立つようになる。

 ターンオーバーを促進するには、細胞のエネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)の産生を高めることが重要だとされる。ATPを増産するとき、“シグナル”として働くのがAMP(アデノシン1リン酸)。細胞内にAMPが十分にあるとATP産生の燃料となる糖(グルコース)の細胞への取りこみが促進されて代謝が活性化、ターンオーバーが促される。

 ところが、ATPの量は加齢と共に減り、17歳を1とすると60代では6割以下に減るという。

 そこで、皮膚に天然酵母由来の「エナジーシグナルAMP」を塗布してみると、細胞内でAMPと同じように働き、ATPの産生を高めることがわかった。

 大塚製薬はヒトの角質細胞を使った試験で、3%のエナジーシグナルAMPを添加すると糖の取りこみが約1.5倍増え、ATPの量が増えることを確認した。

 さらに、エナジーシグナルAMP配合の美容液を使って、実際のシミにどれだけ効くかを確かめた。

 臨床試験を行ったのは、東京女子医科大学皮膚科の川島眞教授。肝班(かんぱん)というシミのある20代から60代までの女性患者27人を対象に、1日2回、患部に3%のエナジーシグナルAMP配合の美容液を16週間塗ってもらった。

 その結果、医師が患部を診断する方法で判定し、「改善した」(38.5%)と「やや改善した」(53.8%)を合わせて92.6%に効果があった。

 また、角質細胞の面積は870μm2から830μm2に縮小し、角質層のメラニン量は68μm2から64μm2に減った。ちなみにターンオーバーが遅くなるほど、角質細胞の面積は大きくなる。

 「エナジーシグナルAMPは細胞の代謝を高め、細胞の若返りを促す働きをする。その結果、肌全体の若返りが促されることから、乾斑を含めたシミ全般、ハリ、たるみ、シワなどへの効果も期待できる。実際に、臨床試験をした患者からもそうした声が多数聞かれた」と川島教授は話す。

 大塚製薬はこの成分を配合した医薬部外品の美容液を、2005年1月以降に発売する予定。「販売ルートは、薬局・薬店以外にも広げる予定」(ヘルスケア事業部の松尾哲也室長)という。(黒住紗織)

■ 訂正 ■
 6段落目の「AMPの量は加齢と共に減り」は「ATPの量は加齢と共に減り」、また10段落目の「乾班」は「肝班」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

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