2004.11.15

【AHA2004速報】 エコノミークラス症候群による血栓発生、弾性ストッキング装着+運動で4分の1に

 心血管疾患など、中程度以上のリスクを持つ人が長時間、飛行機に乗る場合、市販の弾性ストッキングの装着がエコノミークラス症候群の予防に有効なようだ。イタリアのChieti UniversityのBelcaro Gianni氏らの研究グループが11月9日のポスターセッションで報告した。Gianni氏らの研究グループは飛行機搭乗時のDVTの発生とその予防について、ここ数年来、弾性ストッキングやアスピリンなどによる様々な介入研究を実施している。

 今回の介入試験では、エコノミークラス症候群について中程度、または高いリスクを持つ1000人を2つのグループに分け、長時間(8〜13時間)の飛行中、介入群には膝下までのハイソックス型弾性ストッキング(英SSL International社のScholl Flight Socks)を着用させ、エクササイズを実施してもらった。

 飛行後に超音波スキャン装置を用いて脚部の静脈を検査したところ、ストッキングを装着したグループ(平均年齢46歳、男性51%)では、1.1%に膝下の深部動脈血栓症(DVT)が見つかったのに対し、対照群(平均年齢47歳、男性54%)では、4倍超の4.6%(ほぼ22人に1人)にDVTが確認され、介入群ではDVTの発生が有意に少なかった。介入群と対照群で年齢、性、DVTリスクは同等だった。発生したDVTの91%が無症候だったという。

 上記の結果は中程度以上のリスク群におけるものだが、1回の長時間飛行で数十人に1人の割合で無自覚の血栓が発生しているという指摘は注目に値する。飛行機搭乗をはじめ、入院や長時間の自動車旅行、パソコン作業などでは、DVT対策を積極的に実行する必要がありそうだ。(中沢真也)

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