2004.11.12

悪玉「トランス脂肪酸」摂取でCRPが7割増:炎症性因子や接着分子介して動脈硬化起こすメカニズム確認

 身体に悪い“悪玉”脂肪酸として近年注目を集めているトランス脂肪酸は、大量に摂取した場合、LDLコレステロールやトリグリセリドの増加やHDLコレステロールの減少をもたらすことで心血管疾患や2型糖尿病にかかるリスクを高めるとされてきたが、11月9日のポスターセッションで、トランス脂肪酸の摂取がCRPやIL-6などの炎症因子やICAM-1、VCAM-1などの接着分子の増加にも関連している可能性を指摘する研究成果が発表され、注目を集めた。

 研究成果を報告したのは、Harvard School of Public HealthのEsther Lopez-Garcia氏らの研究グループ。同氏らは、米国看護師健康調査(NHS)登録者のうち、1990年の血液採取時点で43〜69歳だった健康な女性727人を対象とした。トランス脂肪酸の摂取量は、アンケートにより、調理油と食卓用油の商品名と、マーガリン、マヨネーズ、フレンチフライ、市販の焼き物、ファーストフードの揚げ物の摂取状況を調査した。

 Garcia氏らは、トランス脂肪酸の摂取量を0.61〜1.87g、1.88〜2.26g、2.27〜2.64g、2.65〜3.13g、3.14〜7.58gの5段階に分け、炎症因子としてCRP、IL-6、sTNFR-2、接着分子としてEセレクチン、sICAM-1、sVCAM-1などの血中濃度について、年齢調整済みの平均値を算出した。

 その結果、最も摂取量が多い群のCRP値が最も少ない群より73%高かったのをはじめ、Eセレクチンが20%、IL-6が17%などとすべての項目で摂取量の多い群が高い値を示した。

 多変量解析により、年齢、BMI、運動、喫煙などのリスク要因と各種脂肪酸の摂取量について調整した後でも、トランス脂肪酸の摂取は、CRP、sTNFR-2、Eセレクチン、sICAM-1、sVCAM-1の正の独立因子であることが分かった。

 Garcia氏は、トランス脂肪酸が血管内皮の細胞膜に作用し、炎症因子や接着分子の産生を促す可能性を指摘、「このメカニズムによって、トランス脂肪酸による血清脂質への影響だけでは説明のつかない心血管疾患リスクの大幅な増加がもたらされている」と見ている。(中沢真也)

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