2004.11.12

【AHA2004速報】 慢性血管性心疾患の冠動脈に骨髄幹細胞を注入、左室駆出分画率やNYHAクラスで改善

 慢性血管性心疾患の人の冠動脈に、骨髄幹細胞を注入することで、左室駆出分画率(LVEF)や心不全分類のNYHAで改善が見られたと同時に、こうした介入の安全性が確認された。ドイツFrankfurt大学のBirgit Assmus氏が、11月9日の一般口演で発表した。

 Assmus氏らは、3カ月以上前に心筋梗塞を発症した人、合わせて95人について、試験を行った。研究グループは被験者を3群に分け、1群には血液中の血管内皮前駆細胞(CPC)を、もう1群には骨髄幹細胞(BMC)を、それぞれ冠動脈に注入した。3群目は対照群として、何も行わなかった。

 3カ月後にLVEFについて調べたところ、プラセボ群では治療前と有意差がなかったのに対し、CPC群では42.0%から43.3%に上昇(p=0.033)、BMC群ではその差は更に大きく、40.8%から43.6%に上がった(p=0.001)。プラセボ群と比べて有意差があったのは、BMC群のみだった(p=0.003)。BMC群は治療前と後のNYHAでも、有意な改善が見られた(p=0.034)。

 さらにBMC群ではまた、治療の前後で、部分的な心筋収縮性についても有意に改善し(p<0.001)、血清ANP値も有意に低下した(p=0.003)。

 会場からは、「BMCに含まれる何かが、心機能の改善に関与していることを示したのは非常に面白い。この結果を元にさらに基礎研究を進めることで、具体的に何が関与しているのかを見つけ出し、新たな治療法の開発につながるのではないか」とする意見があった。
(アンドリュー・テンヘイブ、當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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