2004.11.11

【再掲】高用量アトルバスタチン群でプラバスタチン群より血糖コントロールが悪化

 ACS (急性冠症候群)患者において、高用量アトルバスタチン群(80mg/日)では、プラバスタチン群(40mg/日)よりも、血糖コントロールが悪化するとの報告があった(両剤とも日本での承認用量は10−20mg/日)。これは発症10日以内で総コレステロール(TC)240mg/dL 未満のACS 患者4162例(8カ国、349施設)における積極的脂質低下療法群(高用量アトルバスタチン群2099例)と標準的脂質低下療法群(プラバスタチン群2063例)の予後に与える影響を検討したPROVE-IT(TIMI22)のサブ解析から分かったもの。TIMI22Study Group、Brigham Women's 病院のMarc S Sabatine 氏(写真)が11月10日に報告した。

 今回の解析のデータによると、試験開始時に非糖尿病でHbA1C≦7の2940例では、糖尿病への進展という点でアトルバスタチン群とプラバスタチン群(抗生剤アームのプラセボ群)の間に有意差はなかった(補正ハザード比1.11、95%信頼区間0.67−1.83 、p=0.79) 。しかしHbA1C の変化をみると(抗生剤アームのプラセボ群)、非糖尿病群(1078例)における16カ月後のHbA1C はプラバスタチン群0.18、アトルバスタチン群0.37とアトルバスタチン群で有意に増加した(p=0.002)。

 試験開始時に非糖尿病でHbA1C≦7の1487例においてHbA1C≧0.5の増加を認めたのは(抗生剤アームのプラセボ群)、プラバスタチン群28%、アトルバスタチン群44%とアトルバスタチン群で有意な増加が認められた(補正ハザード比1.83、95%信頼区間1.54−2.19、p<0.001)。抗生剤アームのプラセボ群において試験開始時にHbA1C≦6で、HbA1C>6へと進展したのは、非糖尿病群(1392例)ではアトルバスタチン群で有意に多く(補正ハザード比1.89、95%信頼区間1.40−2.54 、p<0.0001)、糖尿病群(61例)ではアトルバスタチン群で多い傾向が認められた(補正ハザード比2.11、95%信頼区間0.91−4.89、p=0.08)。非糖尿病群と糖尿病群の両者を併せると、アトルバスタチン群で有意に多かった(補正ハザード比1.95、95%信頼区間1.48−2.58 、p<0.0001)。

 一方、抗生剤アームのプラセボ+ガチフロキサシン群において試験開始時のHbA1C≦6で、HbA1C>6へと進展したのは、非糖尿病群(2745例)ではアトルバスタチン群で有意に多く(補正ハザード比1.78、95%信頼区間1.45−2.19 、p<0.0001)、糖尿病群(146例)でもアトルバスタチン群でやはり有意に多かった(補正ハザード比2.36、95%信頼区間1.45−3.86 、p=0.0006)。非糖尿病群と糖尿病群の両者を併せると、アトルバスタチン群で有意に多い結果となった(補正ハザード比1.84、95%信頼区間1.52−2.22 、p<0.0001)。

 Sabatine氏は、「ACS患者における試験期間中の血糖値悪化を検討したところ、HbA1C≧0.5の増加が25%以上に認められ、2年間の間に4%以上が糖尿病へと進展した。アトルバスタチン群は、プラバスタチン群と比較すると、非糖尿病群でHbA1C の有意な上昇が認められた。さらに、非糖尿病群と糖尿病群においても血糖コントロールが悪化した」と報告を統括。また、「臨床試験での追加検討やスタチン療法との関係の究明が必要である。ACS患者では血糖モニターを考慮する必要があり、特にアトルバスタチン80mg/日の場合にそのことが言える」とした。(松田隆志、医学ライター)

■ 訂正 ■
 一部、数字の間違いなどがありました。お詫びして訂正いたします。

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