2004.11.10

【AHA2004速報】 開発中の抗不整脈薬Azimilide、心室頻拍性不整脈を予防しICDの作動を約半分に減少

 開発中のクラス3抗不整脈薬であるAzimilideが、症候性心室頻拍性不整脈を予防し、その結果、植え込み型電気的除細動装置(ICD)の作動を、およそ半分に減らすことが分かった。ICDは症候性不整脈が発症してからショックなどを与え治療を行うが、その予防効果はなく、抗不整脈薬でICDの作動を防ぐことで、患者のQOL(生活の質)は向上すると考えられている。カナダToronto大学のPaul Dorian氏が、11月8日のレイドブレイキング・セッションで発表した。なお現時点では、米国やヨーロッパにおいて、ICD装着者向けの抗不整脈薬は、まだ承認されていないという。

 Dorian氏らは、ICDを装着する633人を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験を、9カ国、121カ所の医療機関で行った。研究グループは被験者を3群に分け、Azimilide 75mg/日、125mg/日、プラセボをそれぞれ投与し、1年間治療を続けた。

 その結果、期間中に発生した原因を問わないICDショックと抗頻脈ペーシングによって中止した心室頻脈発作について見てみると、その発生リスクは、プラセボ群に比べ、Azimilide 75mgは0.43倍(ハザード比:0.43、95%信頼区間:0.26〜0.69、P=0.0006)、Azimilide 125mgでは0.53倍(同:0.53、同:0.34〜0.83、P=0.0053)と、およそ半分に減少した。

 また、誤作動などを除いたICDショックと抗頻脈ペーシングによって中止した心室頻脈発作を合わせた発生リスクも、プラセボ群に比べ、Azimilide 75mgは0.52倍(ハザード比:0.52、95%信頼区間:0.30〜0.89、P=0.017)、Azimilide 125mgでは0.38倍(同:0.38、同:0.22〜0.65、P=0.0004)と大幅に減少した。

 なお同研究結果は、発表と同時に、米国心臓病学会の雑誌であるCirculation誌にオンラインで発表されている。論文のタイトルは、「Placebo-Controlled, Randomized Clinical Trial of Azimilide for Prevention of Ventricular Tachyarrhythmias in Patients With an Implantable Cardioverter Defibrillator」。

(アンドリュー・テンヘイブ、當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. わいせつ容疑の外科医、初公判で無罪を主張 「乳腺科医のプライドにかけて無罪を主張します」 FBシェア数:585
  2. トイレにこそ、人間の尊厳がある Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:480
  3. 原発性アルドステロン症の重症例を見逃すな トレンド◎診断のボトルネックを解消する新たな基準が決定 FBシェア数:200
  4. 下血? 血便? 赤いの? 赤くないの? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:185
  5. 繰り返す乾燥肌やマラセチアの陰に保温肌着 リポート◎保温肌着の愛用者かどうかを聞き取り適切な生活指導を FBシェア数:459
  6. 佐久の医師たちがハッとした海外研修生の一言 色平哲郎の「医のふるさと」 FBシェア数:97
  7. 「どうしてこんな急に!」急変時の家族対応は 平方眞の「看取りの技術」 FBシェア数:34
  8. 輸液の入門書 医学書ソムリエ FBシェア数:0
  9. 医療者は認知症家族との暮らしが分からない 患者と医師の認識ギャップ考 FBシェア数:211
  10. 難治性皮膚潰瘍を再生医療で治す リポート◎大リーガー田中将大投手のケガも治したPRP療法とは? FBシェア数:22