2004.11.10

2型糖尿病で高血圧症の患者へのβ遮断薬投与は、カルベジロールがメトプロロールより有効

 2型糖尿病で高血圧症の患者で、既にレニン・アンジオテンシン系(RAS)遮断薬を服用している患者に対し、血圧コントロールを目的にβ(ベータ)遮断薬を投与する際には、カルベジロールがメトプロロールよりも有効であることが明らかになった。多くのβ遮断薬は、2型糖尿病患者に対して降圧効果がある一方で、血糖値が上がってしまうことが知られているが、カルベジロールはヘモグロビンA1C(HbA1c)値を上げることなく血圧をコントロールでき、その点で同じβ遮断薬のメトプロロールより有効であることが分かった。11月9日のレイトブレイキング・セッションで米Rush大学メディカルセンターのGeorge L. Bakris氏が発表した。

 Bakris氏らは、2型糖尿病患者で高血圧症の患者で、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などのRAS遮断薬を服用している1235人について、無作為化二重盲検試験を行った。被験者の年齢は30〜80歳、HbA1c値は6.5〜8.5%、収縮期血圧(SBP)は130〜179mmHg、拡張期血圧(DBP)は80〜109mmHgだった。被験者は2群に分かれ、一方にはカルベジロール(498人)を、もう一方にはメトプロロール(737人)を、それぞれ1日2回投与した。血圧の目標値は試験開始時の血圧によって異なり、SBPは130〜135mmHg、DBPは80〜85mmHgだった。必要に応じて、ヒドロクロロチアジド12.5mgとジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬も投与した。

 5カ月後にHbA1c値について調べたところ、カルベジロール群は試験開始時から変わっていなかったのに対し、メトプロロール群では0.15%増加した(p<0.001)。この値について、カルベジロール群とメトプロロール群を比較すると、その差は0.13%だった(p=0.004)。また、HbA1c値の増加が1%を超えた人の割合は、メトプロロール群では14.2%だったのに対し、カルベジロール群では7%に留まった。

 また、血圧を目標値に引き下げるために投与したそれぞれの平均1回用量は、メトプロロール群では128mgと通常の処方量を上回ったのに対し、カルベジロール群では17.5mgで済んだ。さらに、インスリン感受性の改善は、カルベジロール群でのみ認められた(−9%、p=0.004)。

 Bakris氏は、「2型糖尿病の患者で心血管疾患リスクが適切にコントロールされている人の割合は少ないため、今回の研究結果は重要である」と強調した。なお、この研究結果は、JAMA誌11月10日号に掲載される。
(アンドリュー・テンヘイブ、當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 国が本腰「かぜに抗菌薬を使うな!」 リポート◎外来におけるかぜ患者への対応示す「手引き」登場 FBシェア数:910
  2. 海外での日本人の死亡原因、最多76%が◯◯ 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:24
  3. 急性気管支炎、6割もの医師が「抗菌薬処方」 医師3642人に聞く、かぜ症候群への対応(その1) FBシェア数:128
  4. 【詳報】成人肺炎診療ガイドライン2017発表 学会トピック◎第57回日本呼吸器学会学術講演会 FBシェア数:84
  5. どの株を持っているか?それは教えられません Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:1
  6. 結核?まさかね〜 いや、でも… わかる!院内感染対策 FBシェア数:223
  7. こう見えて医局制度肯定派の筆者が語る「居場所」論 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:10
  8. 勤務先が急性期医療を縮小、転職に動く医師たち 医師ヘッドハンティングの舞台裏 FBシェア数:4
  9. 金沢市で麻疹集団感染、風邪と診断されていた陽性者… パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:323
  10. ナースが女になる瞬間? 病院珍百景 FBシェア数:14