2004.11.06

FDA、医療記録にアクセスするための埋め込み型チップを承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、患者の医療記録へのアクセスを可能にする、埋め込み型高周波識別装置「Verchip」を承認した。医師たちは、緊急時や患者の意識がないときには、この装置が治療向上に役立つと期待している。が、患者のプライバシーの侵害を危惧する人もいる。このニュースは、British Medical Jorunal誌11月6日号のNews Roundupに掲載された。

 チップの大きさは米粒大で、局所麻酔下で患者右腕の上腕三頭筋領域の皮下に注射される。見た目には、存在は全くわからない。記録されているのは16桁の照会番号だ。埋め込み部位に手のひら大のスキャナーを近づけると、チップが一時的に活性化され、スキャナーのディスプレイに番号が現れる。医療従事者はこの番号を用いて、セキュリティーが保証されたデータベースにアクセスし、患者の記録、すなわち、医療記録と個人情報、家族の連絡先、医療保険に関する情報などを得る。

 同様のチップは、米国では約15年前からペットや家畜の識別に用いられている。既に3000万匹以上のペットに「Home Again」(日本での商標名は、ライフチップ)チップが埋め込まれたという。
 
 チップを製造しているApplied Digital Systems社は、主なマーケットとして、診療所、外傷センター、病院の緊急治療室、延長治療施設などを想定している。スキャナーの単価は650ドル、チップ埋め込み費用は150-200ドルになるという。同社は、「Verichip」のスキャンニングが、検温や血圧測定などと共に、救急治療室で患者に最初に行われる一連の検査に組み込まれると予想している。また、このチップは、複数の医療機関で治療を受けている複雑な病歴を持つ患者や、多剤を投与されている患者にも有用と考えている。

 「Verichip」は既に、全世界で約1000人に埋め込まれている。メキシコの検事総長とその側近は、特殊施設への出入りの管理にこの技術を用いているという。

 報告の原題は「FDA approves implantable chip to access medical records」、全文がこちらで閲覧
できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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