2004.11.05

【レビュー】閉塞性睡眠時無呼吸患者に麻酔が与えるリスクとそれに対する予防措置

 中年女性の2%、中年男性の4%が閉塞性睡眠時無呼吸と推定される。そのうち、診断がついているのは20%にすぎない。患者は、この病気に対する治療か否かに関わらず、麻酔や鎮静などの処置により危険な状態になる可能性が高い。また、術後に呼吸器系や心肺に合併症を起こすリスクも高いという。オランダとドイツの研究者らが、これにどう対処すべきかを文献を基に再考し、British Medical Journal誌10月23日号に報告した。

 閉塞性睡眠時無呼吸患者は、一般的な外科手術または他の侵襲的な治療を麻酔下で行う場合に、合併症を起こしやすい。外科医と麻酔医は、診断がついていない閉塞性睡眠時無呼吸患者が多いことに留意せねばならない。術前に、麻酔医がスクリーニングを行うとよい。いびきや昼間の眠気など様々な症状が知られているが、この病気を示唆する病歴があり、肥満体で首が短く、舌が大きい患者には、睡眠ポリグラフ計による検査を行うべきだ。

 閉塞性睡眠時無呼吸のリスクが明らかな患者にはそれを伝えた上で、術前から術後の合併症の予防を試みることになる。麻酔の代替となる鎮痛法の選択も一案だろう。

 術前には、気道を狭める可能性を持つ薬剤の投与を避ける。気管内挿管が困難であることを良く認識し、そのための機器を使用する。挿管前の酸素吸入は有効だ。緊急時には早期の気管切開を考える。耳鼻咽喉外科医との協力は有用だ。術中は体位を考慮し、術後の咽頭の腫れを予防する薬剤を投与する。上部気道の手術後には、閉塞性睡眠時無呼吸の悪化が予想されるため、挿管期間を延ばす必要がある。特に鼻の手術の場合には、集中治療室における監視を怠ってはならない。

 いずれにしても、緊急時に備えて、この種の患者の気道管理のためのアルゴリズムを確立する必要がある。

 このレビューの原題は「Risks of general anaesthesia in people with obstructive sleep apnoea、全文がこちら(PDFファイル)で閲覧できる。 (大西淳子、医学ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. これだけは知っておきたい「改正道路交通法」 プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:177
  2. 安易な食物除去はNG、湿疹の管理も忘れずに インタビュー◎「食物アレルギー診療ガイドライン」改訂のポイント FBシェア数:539
  3. 国際医療福祉大学医学部の志願者倍率は27.7倍 昨年開学した東北医科薬科大学を大幅に上回る人気 FBシェア数:319
  4. 1日で299人、悪夢のような銃創ラッシュ 国境なき医師団が見た世界の医療現場 FBシェア数:112
  5. 「ネットは仕事に悪影響」と電カル未導入の病院 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:65
  6. 往診に行ったら仏壇をチェック!? Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:152
  7. 意外と知らない看取りの手順 平方眞の「看取りの技術」 FBシェア数:67
  8. 第7次医療計画の作成指針案が了承 シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定 FBシェア数:2
  9. インフルエンザ、推計患者が100万人に迫る インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:228
  10. ニボルマブは進行胃癌の3次治療として有効【ASC… 日経メディカルOncologyニュース FBシェア数:31