2004.10.28

【ピックアップ◆日本高血圧学会】家族歴と加齢の影響、高血圧では同等で糖尿病では家族歴が重要

 高血圧と糖尿病について、それぞれの発症に対する家族歴と加齢の影響を調べた研究で、高血圧では家族歴と加齢が同等で相加的、糖尿病では家族歴が重要という結果が報告された。医療法人エムエム会マッターホルン病院の白山泰山氏らが10月に開催された日本高血圧学会で発表した。

 研究グループは、加齢にともなう高血圧や糖尿病の罹患率の変化と、それぞれの家族歴の影響を検討するため、職場検診を受診した17歳から71歳の男性1155人(平均年齢42.7±12.1歳)を対象に解析を行った。

 収縮期血圧140mmHgかつまたは拡張期血圧90mmHg以上または高血圧治療中の人を「高血圧」、HbA1c6.6%以上または糖尿病治療中の人を「糖尿病」とし、それぞれの有病率を年代別、家族歴の有無で比較した。

 その結果、全体の高血圧の有病率は27.1%、糖尿病は3.6%だった。

 高血圧については、その有病率は家族歴にかかわらず加齢とともに上昇した。その一方で、家族歴があるグループでは、高血圧の有病率は、30歳以下から50歳代まで、家族歴のないグループの2倍あった。つまり、この年齢層では、高血圧の家族歴が強いリスク因子であることが分かった。全体で見ると、高血圧発症に対する家族歴のオッズ比は1.75、加齢10年間のオッズ比は1.72だった。

 糖尿病の有病率は、家族歴がないグループでおよそ3%で、加齢による増加もわずかでしかなかたった。ところが、家族歴があるグループでは、糖尿病の有病率は家族歴がないグループの5倍以上で、加齢による有病率の増加も明らかであった。結局、糖尿病発症に対する家族歴のオッズ比は5.45で、加齢10年間のオッズ比は2.30だった。

 これらの結果から研究グループは、「高血圧では家族歴と加齢が同等でかつ相加的、糖尿病では家族歴が重要な発症因子であることが明らかになった」と結論付けた。(三和護)

 


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