2004.10.27

咽頭結膜熱はピーク時の10分の1に減少、A群溶レン菌咽頭炎、感染性胃腸炎は微増傾向続く:感染症週報第41週から

 国立感染症研究所の感染症情報センターが10月22日に公表した2004年第41週(10月4日〜10月10日)の感染症週報(感染症発生動向調査)によると、夏と冬の感染症流行のはざまで、咽頭結膜熱、A型溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、ヘルパンギーナなど、定点観測の対象になっている小児科感染症などでは、報告数が年間でも少ない時期となっている。しかし、A型溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎では、このところ微増傾向が続いている。

 咽頭結膜熱の定点当たり報告数(1医療機関当たりの患者数)は第30週以降、減少し続け、40週には微増したが41週では再び減った。報告数の全国平均値は0.13で、本年のピーク値を示した第29週のほぼ10分の1になった。それでも過去10年の同時期に比べればかなり多い。都道府県別では福井県が1.05と飛び抜けて多く、2位の滋賀県(0.58)の2倍近かった。

 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は第33週、34週で底を打った後、第35週から微増傾向が続いており、第41週では0.64と第34週の約1.5倍に増加した。都道府県別では北海道(1.6)、大分県(1.5)、富山県(1.4)が多い。

 感染性胃腸炎も第34週以降、横ばいから微増傾向が続いている。都道府県別では福井県(5.9)、三重県(5.0)、鳥取県(5.0)、愛媛県(5.0)が多い。

 手足口病は夏のピーク値が過去10年の年間最高値と比べ、3番目に少なかった。第29〜32週に弱いピークを迎えた後、第33、34週と減少し、その後は横ばいから弱い微増傾向にある。都道府県別では宮崎県(10.7)と高知県(4.6)が多い。

 全数報告の対象となる感染症については以下の通り(9月16日集計分)。
 1類感染症:報告なし。
 2類感染症:コレラ1例、細菌性赤痢7例、腸チフス2例、パラチフス3例。
 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症76例(うち有症者52例)。宮城県(9例)、大阪府(9例)、福岡県(9例)が多い。
 4類感染症:エキノコックス症1例、オウム病1例、つつが虫病1例、デング熱1例、日本紅斑熱2例、日本脳炎1例、マラリア3例、レジオネラ症1例、E型肝炎1例、A型肝炎2例。レプトスピラ症1例。
 5類感染症:アメーバ赤痢9例、ウイルス性肝炎5例(いずれもB型)、後天性免疫不全症候群6例(AIDS3例、無症候3例)、ジアルジア症1例、先天性風疹症候群1例、梅毒4例、破傷風2例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例。

 詳しくは感染症発生動向調査週報まで(pdfファイル)。(中沢真也)

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