2004.10.25

【日本高血圧学会速報】 わが国でも腎障害は心血管系危険因子、E-COSTサブ解析より

 昨年の本学会において高得点演題として報告されたE-COST(The Efficacy of Candesartan on Outcome in Saitama Trial)サブ解析の結果、腎機能の低下した高血圧例では脳心合併症発生リスクが腎機能正常例に比べ有意に増加することが明らかになった。埼玉医科大学腎臓内科の菅野義彦氏が7日の臨床一般演題「薬物療法」で報告した。  

 E-COSTは直近1年間に重篤な心血管系疾患の既往を有さない高血圧2048例を、カンデサルタンを含む降圧療法群と含まない群に分け、予後への影響を比較した試験。カンデサルタン群では脳心合併症(心血管イベント;脳血管障害、狭心症、心筋梗塞、心不全)発現が有意に抑制されていた(昨年度報告)。  

 本試験では薬物療法群に割り付ける前に、腎機能で患者群を二分しており、血清クレアチニン1.2mg/dL未満を腎機能「正常群」、1.2mg/dL以上2.0mg/dL未満を腎機能「低下群」とした。したがって、「正常群」と「低下群」におけるカンデサルタン服用例と非服用例の割合は同等となっている。  

 脳心合併症発現のオッズ比を求めたところ、腎機能「正常群」では「低下群」の0.804(95%信頼区間:0.732〜0.884)となっており、「10歳若年」のオッズ比0.779(有意)と同等だった。これより菅野氏は、「腎機能低下例では心血管系疾患が有意に増加する」と結論付けた。  

 近年、欧米では心腎相関が注目されているが、わが国でも関心が高まっており、その結果、冠動脈インターベンションによる腎障害なども研究されるようになっている(関連トピックス)。  
(宇津貴史、医学レポーター)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「高血圧治療に関する調査 2004」 ご協力のお願い

 大規模臨床試験「ALLHAT」の発表以降、米国や欧州で高血圧治療のガイドラインが見直され、日本でも2004年に新しいガイドラインが提示されるに至りました。これを受けMedWaveでは今年も高血圧治療の「今」を明らかにする「高血圧治療に関する調査 2004」を実施しています。
アンケートは以下のページからどうぞ。
http://medical.nikkeibp.co.jp/MED/doctor25.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 誤嚥性肺炎って何科の疾患? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:294
  2. 2018年度ダブル改定の“真の主役”は「看取り」 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:13
  3. 66歳女性。意識障害、痙攣 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  4. 今冬はインフルエンザワクチンには頼れません! 特集◎いつもと違う! 今冬のインフルエンザ《1》 FBシェア数:257
  5. 62歳男性。口唇のしびれと呼吸困難 日経メディクイズ●神経内科 FBシェア数:0
  6. カフェイン中毒――侮ってはいけない市販薬 EM Allianceの「知っ得、納得! ER Tips」 FBシェア数:4
  7. 政策誘導の「はしご」は外されるのが当たり前? 記者の眼 FBシェア数:39
  8. 安定狭心症へのPCI、症状改善に有意差認めず 循環器・糖尿病診療のNew Stage◎LECTURE FBシェア数:0
  9. 若年男性に生じた発熱と多関節痛、何を疑う? カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:1
  10. インフルエンザウイルスの抗原変異は予測可能 特集◎いつもと違う!今冬のインフルエンザ《Interview》 FBシェア数:3