2004.10.25

【日本高血圧学会速報】 降圧不十分は医師の意識に原因? HOMED-BP中間報告

 家庭血圧測定による至適降圧目標を探るために進行中のHOMED-BP(Hypertension Objective Treatment Based on Measurement by Electrical Devices of Blood Pressure )研究だが、家庭血圧125/80mmHg未満を降圧目標とする「積極的降圧群」におけるコントロール不良の原因を探ったところ、医師の意識が関わっている可能性が示唆された。東北大学臨床薬学の齊藤伸氏が、10月7日のKeynoteセッション1「介入試験」で報告した。

 HOMED-BP研究では降圧目標を、家庭血圧で125〜134/80〜84mHgとする「通常降圧群」と「積極的降圧群」に分け、イベント発生の差を比較することになっている。しかし試験開始1年後の血圧を見ると、「積極的降圧群」における目標血圧達成率は「通常血圧群」に比べ有意に低く、収縮期・拡張期ともに目標血圧に達していたのは約2割に過ぎなかった。

 また、試験開始6カ月後に目標血圧に達していない例のうち55%では、降圧治療が強化されていなかった。  

 そこで背景を探ったところ、降圧治療が強化されなかった例では強化された例に比べ、「収縮期血圧135mmHg未満」が有意に多かった(52% vs 39%、p=0.04)。

 次に「拡張期血圧の過降圧をおそれた」可能性を探るため、強化群と非強化群の拡張期血圧を比較したが、拡張期血圧が80mmHg未満まで低下していた例は、非強化群37%、強化群44%で有意差はなかった。

 また「診療所血圧で収縮期血圧が140mmHg未満」の割合も、非強化群69%、強化群63%で差はなかった。拡張期血圧90mmHg未満の割合も同様だった。

 これらより齋藤氏は「家庭血圧で収縮期血圧135mmHg未満が達成できると、医師が治療効果に満足して、それ以上治療が強化されない可能性がある」と指摘した。

 なお、HOMED-BP研究では2005年12月まで参加者を募っている。詳細はこちらまで。  
(宇津貴史、医学レポーター) 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「高血圧治療に関する調査 2004」 ご協力のお願い

 大規模臨床試験「ALLHAT」の発表以降、米国や欧州で高血圧治療のガイドラインが見直され、日本でも2004年に新しいガイドラインが提示されるに至りました。これを受けMedWaveでは今年も高血圧治療の「今」を明らかにする「高血圧治療に関する調査 2004」を実施しています。
アンケートは以下のページからどうぞ。
http://medical.nikkeibp.co.jp/MED/doctor25.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. レセプト査定される糖尿病処方、教えます 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:162
  2. 病像の変化で糖尿病腎症から糖尿病性腎臓病に 特集◎生活習慣病 7つの新常識《5》 FBシェア数:177
  3. 五輪でドーピング…主訴「薬を盛られた?」 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:24
  4. 刃物を持ってくる患者の「予兆」を見逃さないで 院内暴力・セクハラSOS FBシェア数:119
  5. 外科医の寿命を延ばすロボット手術が保険適用に 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:166
  6. いつから、何を使って、どれくらい勉強する? 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:72
  7. 一過性の意識消失で救急搬送された80歳代女性 カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:0
  8. 肝臓癌で余命半年と宣告された認知症患者 短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ(3) FBシェア数:36
  9. 血糖管理は点から線へ、FGMで変動を調べよ 特集◎生活習慣病 7つの新常識《6》 FBシェア数:36
  10. 主な癌の5年生存率を国際比較 Lancet誌から FBシェア数:28
医師と医学研究者におすすめの英文校正