2004.10.25

【日本高血圧学会速報】 カンデサルタン vs アムロジピン、CASE-Jの現状が明らかに

 ハイリスク高血圧例に対するカンデサルタンとアムロジピンの「突然死、脳心腎合併症、血管イベント」抑制作用を比較しているCASE-J(Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan)の中間報告が、10月7日のKeynoteセッション1「介入試験」において、大阪大学加齢医学教授の荻原俊男氏により報告された。

 CASE-Jの対象は、1.70歳未満で収縮期血圧140mmHg以上、2.70歳以上で収縮期血圧160mmHg以上、または年齢に関係なく拡張期血圧90mmHg以上−−で、脳心血管危険因子(2型糖尿病42.8%、左室肥大34.3%、重症高血圧20.2%、蛋白尿19.3%)を有する4728例である。

 バルサルタンとアムロジピンを比較したVALUEに若干類似しているが、試験開始の患者背景を比較すると、CASE-Jでは3割強が降圧薬を服用していない点は異なる(VALUEでは1割弱)。試験開始時に服用されていた降圧薬の59.7%がCa拮抗薬、50.1%がレニン・アンジオテンシン系抑制薬だった。

 これら4728例がカンデサルタン群とアムロジピン群に無作為割り付され(降圧不十分な場合、増量と他剤併用)、オープンラベルで追跡されている(PROBE法)。試験開始1年後の血圧はカンデサルタン群142/81mmHg、アムロジピン140/80mmHgだった(検定はせず)。

 本年8月の時点で突然死8例、脳血管イベント56例、心イベント46例、重篤な腎障害15例、血管イベント8例の合計133例にイベントが認められ、上記による死亡21例、その他の死亡35例が確認されている。共同座長の1人藤田敏郎氏(東京大学内科学教授)は、イベントの多さが意外だとコメントし、荻原氏は「ハイリスク故だろう」と述べている。

 藤田氏はまた、両群間の収縮期血圧に2mmHgの差がある点に興味を示し、荻原氏もCa拮抗薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬では降圧効果に差がある可能性も否定できないとの考えを示した。

 さらに藤田氏は、血圧コントロール状況が不良の場合、参加施設に対し注意を発することができるが、オープンラベル試験のため、いずれかの薬剤に肩入れするような指示が出される危惧も指摘した。具体的には「××群の血圧は厳格にコントロールしてください」という類いの指示となろう。  

 本試験の終了予定は2005年の12月ということで、荻原氏は2006年に福岡で開催される国際高血圧学会での報告が期待されると述べた。
(宇津貴史、医学レポーター)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「高血圧治療に関する調査 2004」 ご協力のお願い

 大規模臨床試験「ALLHAT」の発表以降、米国や欧州で高血圧治療のガイドラインが見直され、日本でも2004年に新しいガイドラインが提示されるに至りました。これを受けMedWaveでは今年も高血圧治療の「今」を明らかにする「高血圧治療に関する調査 2004」を実施しています。
アンケートは以下のページからどうぞ。
http://medical.nikkeibp.co.jp/MED/doctor25.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師のあこがれ? 「ブラックカード」の魅力 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:1
  2. 山梨市長逮捕で「医学部裏口入学」を考える 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:33
  3. インスリンの2回打ちって、もう古い? シリーズ◎岩岡秀明の糖尿病よろず相談所【藤沼康樹編】 FBシェア数:100
  4. 女子マネ死亡…AEDを巡る論争に言いたいこと 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:667
  5. 働き方改革の議論に必要な「対患者」の視点 記者の眼 FBシェア数:97
  6. 大学病院の「全床高度急性期」報告に厳しい批判 記者の眼 FBシェア数:46
  7. 急激な腎機能低下を一過性と侮るな トレンド◎急性腎障害(AKI)診療ガイドライン発行 FBシェア数:152
  8. 特集「『説明したのに敗訴』のなぜ」が生まれたわけ 編集会議 on the Web FBシェア数:105
  9. 癌の種類で異なる骨転移治療の進め方 日経メディカルOncologyリポート FBシェア数:28
  10. SPECTのみでアルツハイマーの鑑別はできない プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:25