2004.10.25

頭蓋内出血の検査にはCTよりMRIが有用

 急性脳梗塞が疑われる患者が最初に受ける標準的な検査の一つが、単純CTだ。その結果出血が見つかれば、血栓溶解剤は投与できない。が、超急性期(発症後6時間以内)だと、CTの梗塞検出感度には限界がある。そこで、梗塞の検出では信頼度の高いMRIが有用と提唱されてきたが、併用すれば検査時間は長くなり費用もかさむ。また、超急性期の脳実質内の出血の診断におけるCTとMRIの精度を明確に比較した研究はなかった。そこで米国UCLA等の研究者らが、急性の限局性虚血症状を示す患者の頭蓋内出血検出におけるこれらの精度を比較し、詳細をJAMA誌10月20日号に報告した。

 試験は米国内2施設で2000〜2003年に行われた。発症から6時間以内の患者たちは、GRE法によるMRIの後にCT検査を受けた。200人の患者が登録された時点で、試験は予定より早く終了した。中間解析の結果、MRIは、CTでは感知できない出血性変化を検出できることが明白になったからだ。

 出血全般だとMRIでは71人が陽性、CTでは29人が陽性で有意な差が見られた。急性出血の診断では、MRIとCTの有効性は同等(96%一致)だった。25人が両検査で陽性、4人がMRIのみ陽性だった。これら4人は虚血性梗塞に伴う2次的な出血性変化と解釈された。

 また、CTで陽性、MRIで陰性が4人いたが、3人については、CTで急性出血と解釈された領域が、MRIでは慢性出血と判定された。残りの1人は、MRIで病変と認識されなかった部分が、CTでくも膜下出血と診断されていた。MRIで慢性出血を指摘された患者は49人(多くは微量出血)いたが、CTはそれらを全く検出できなかった。

 以上の結果は、急性限局性脳卒中患者の急性出血の検出において、MRIの精度はCTと同等で、慢性出血の検出ではCTを大きく上回ることを示した。著者らはMRIの単独利用は容認できると述べている。

 論文の原題は「Comparison of MRI and CT for Detection of Acute Intracerebral Hemorrhage」、現在全文がこちらで閲覧できる。 
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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