2004.10.22

TNF阻害薬を服用しても肺炎予防接種への免疫反応は正常、メトトレキサート単独では反応が半減

 関節リウマチ患者でTNF阻害薬を服用していても、肺炎予防接種への免疫反応は、健康な人と同等に得られることがわかった。関節リウマチ患者は、感染症発症率が高いことが知られているため、肺炎ワクチンの投与が勧められており、この結果は日常診療に役立つ朗報である。一方、メトトレキサートを服用する人は、肺炎ワクチンへの免疫反応が半減した。これは、スウェーデンLund 大学のMeliha Crnkic氏が、10月20日の一般口演で発表したもの。

 Crnkic氏らは、関節リウマチの患者149人と、そうではない47人に対し、肺炎ワクチンを投与し、免疫反応を調べた。関節リウマチの患者のうち、TNF阻害薬を服用しメトトレキサートを服用していなかったのは62人、TNF阻害薬とメトトレキサートを服用していたのは50人、メトトレキサートを服用しTNF阻害薬を服用していなかったのは37人、関節リウマチではない健康な人による対照群は47人だった。なお、いずれの関節リウマチ患者の群においても、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)も服用している可能性があった。

 ワクチン投与後4〜6週間で、肺炎に関連する血清抗体濃度が投与前の3倍以上に増えた場合を、免疫反応陽性と判断した。その結果、免疫反応陽性の割合は、TNF阻害薬単独群が50%、TNF阻害薬とメトトレキサート群が32%と、対照群の38%と有意差はなかった。一方、メトトレキサート単独群は14%と、免疫反応陽性の人の割合が他のどの群と比べても有意に少なく、半分以下だった。さらに、有意差はなかったもののTNF阻害薬単独群で免疫反応陽性者の割合が多く、またメトトレキサートにTNF阻害薬を併用することで、免疫反応陽性者の割合が対象群と同等までに引き上げられるといった傾向があることも目をひいた。

 Crnkic氏は、「TNF阻害薬服用者の肺炎ワクチン投与は健康な人と同等の効果を期待できそうだが、これからメトトレキサート投与を始める人は、その前に肺炎ワクチン投与を受けた方がいいだろう」と締めくくった。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 11県で総合診療科研修プログラムの応募ゼロ 新専門医制度、初年度専攻医の一次登録を締め切る FBシェア数:170
  2. 適応のある/なしは患者の知ったことではない 尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」 FBシェア数:31
  3. 意外に怖いRSウイルス、乳児に加え高齢者も トレンド◎重症化の頻度はインフルエンザと同等 FBシェア数:7
  4. 診療報酬改定は在宅の負担軽減、遠隔診療が焦点 特集◎かかりつけ医の未来《動向編3》 FBシェア数:24
  5. 胃潰瘍後のPPIはいつまで続ける? 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:85
  6. 休みがちな職員の影響で負担増大、院長も苦慮 榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ FBシェア数:2
  7. そのまま、動かすな! 連載小説「坂の途中」 FBシェア数:9
  8. 順大が総合診療医向けのキャリア構築プログラム 大学と市中病院が連携、研究と臨床を学ぶ場を提供 FBシェア数:108
  9. 「胃癌予防目的での小児のピロリ除菌療法は推奨しな… 日本小児栄養消化器肝臓学会がガイドライン草案を公開 FBシェア数:112
  10. 負荷試験や経口免疫療法に伴う重篤な事例は9例 日本小児アレルギー学会が「重篤な食物アレルギー症状」の緊急調査 FBシェア数:5