2004.10.22

新クラスの生物学的製剤アバタセプト、TNF阻害薬抵抗性の患者に対し臨床的有効性が確認

 関節リウマチの生物学的製剤としては全く新しいクラスのアバタセプト(CTLA4Ig)を、TNF-α阻害薬に反応しなかった患者に対して投与したところ、プラセボに比べ、24週間で大幅な臨床的改善が見られたことが明らかになった。アバタセプト群の半数以上でACR20を達成し、割合にしてプラセボ群の約2.5倍にも上った。これは、アバタセプトに関する治験第3相「ATTAIN」(Abatacept Trial in Treatment of Anti-TNF Inadequate Responders)で、米Center for RheumatologyのJoel Kremer氏が、10月21日の一般口演で発表した。アバタセプトはT細胞副刺激モジュレーターで、TNF-α阻害薬とは全く異なる仕組みで炎症を抑制する。

 研究グループは、最低3カ月TNF-α阻害薬を投与した結果、適切な反応が得られなかった関節リウマチの患者391人を対象に、研究を行った。被験者は無作為に2群に分かれ、一方にはアバタセプト約10mg/kgを、試験開始第1日、15日、29日と、以降28日ごとに投与し、もう一方にはプラセボを投与した。なお、アバタセプト群とプラセボ群の、診断を受けてからの期間はそれぞれ平均12.2年と平均11.4年、HAQスコアは共に平均1.8、DAS28も共に平均6.9と、両群に差はなかった。

 24週目に、関節リウマチの活動性を評価する基準ACRコアセットについて調べたところ、ACR20を達成した割合は、プラセボ群で19.5%だったのに対し、アバタセプト群では50.4%と大幅な差があった(p<0.001)。ACR50とACR70を達成したのは、プラセボ群がそれぞれ3.8%と1.5%だったのに対し、アバタセプト群では20.3%と10.2%と、やはり大幅に上回った(それぞれp<0.001、p<0.005)。さらに寛快率について見てみると、プラセボ群では0.8%だったのに対し、アバタセプト群では10.0%だった(p<0.002)。なお、薬の有害作用の発生率は、両群で明らかな差は見られなかったという。

 アバタセプトは、TNF-α阻害薬に反応しない関節リウマチ患者の選択肢として注目されているが、会場からは、「1種類のTNF-α阻害薬に反応しなかった場合、アバタセプトでなく別の抗TNF-α阻害薬に変えてみてはどうなのか」との質問が出た。これに対しKremer氏は、「TNF-α阻害薬に抵抗性の関節リウマチ患者を対象に、別のTNF-α阻害薬の有効性を示す研究結果はまだない。また、TNF-α阻害薬とアバタセプトを比較した試験もない。こうした研究結果が出なければ、その質問に対する答えは出せない」とした。

 その上で、「一方、ATTAINの結果、TNF-α阻害薬に反応しない患者にアバタセプトが有効であることがわかった。また一般論として、患者が治療薬に反応しなかった場合、全く別のクラスの薬を選ぶ方が理にかなっており、そうした考え方は診療現場の慣行となっている」とした。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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