2004.10.22

SLE患者の癌罹患率、全癌では健常人の15%増、血液癌で2.75倍:大規模国際コホート調査で明らかに

 全身性エリテマトーデス(SLE)の患者では癌の罹患率が高いことが知られている。6カ国の23センターにおける約1万人の患者を平均8年間追跡した多施設の大規模国際コホート研究の結果が報告され、全癌では15%増だったが、肺癌では1.37倍、血液癌では2.75倍と高く、なかでも非ホジキンリンパ腫は3.64倍といずれも有意に高いことが分かった。Motreal General HospitalのSasha Bernatsky氏が、10月20日のポスターセッションC「SLEの臨床的側面III」で発表した。

 研究に参加したのは、米国、カナダ、英国、アイスランド、スウェーデン、韓国の23医療機関で、9846人のSLE患者を平均8年間追跡した。この間、441件の癌が発生した。患者の癌罹患率は、性、年齢と調査時点の癌罹患率で調整し、一般人口の癌罹患率との相対値SIR(standardized incidence ratio)を求めた。

 その結果、全癌では1.15で15%増にとどまったが、肺癌では1.37倍、肝胆道系では2.6倍と多く、血液癌では2.75倍と高かった。血液癌では非ホジキンリンパ腫が3.64倍と特に高かった。これはいずれも統計的に有意な高値だった。

 血液癌について属性による差違をみると、女性2.62倍に対して男性は3.34倍と高く、年齢別では40歳以下、および60歳以上に対して40代と50代が高かった。また、SLE発症から発癌までの時間については、1年以内では6.38倍、1〜4年では4.36倍と高く、以後は5〜9年で2.13倍、10〜19年で1.99倍と有意に高いが次第にリスクが低下する傾向が見られ、20年以上では1.28倍で一般人口との有意差は見られなかった。

 気になる人種差についてBernatsky氏らの今回の発表では提示されていないが、同氏によれば、アジア系では血液癌の罹患率は白人の半分程度と低いという。今後の課題については、「SLE治療で使用している薬剤と癌腫の関係について既にデータ解析を進めており、来年には報告したい」としていた。
(中沢真也)

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