2004.10.21

早期関節リウマチ患者にインフリキシマブを投与した際にみられる炎症反応の生化学的変化−−ASPIRE試験のサブ解析

 ASPIRE試験は、早期関節リウマチ患者に対するインフリキシマブの治療的かつ予防的効果を検討した試験であり、当学術集会においても多数の発表がなされている。本演題では、Sudha Visvanathan氏が、生化学的見地から本試験対象患者の炎症反応の推移を報告した。

 ASPIRE試験では、メトトレキサート(MTX)未治療の早期リウマチ患者(持続性滑膜炎発症後3カ月〜3年で活動性のもの)計1050例が対象とされ、MTX単独療法と同薬+インフリキシマブ併用療法に無作為化された。インフリキシマブは0/2/6週に投与され、以降8週間隔で投与が継続された。インフリキシマブの投与量は3mg/kgないしは6mg/kgの2群に分けられ、3mg/kgで効果不十分な場合には1.5mg/kgの漸増が最大投与量6mg/kgまで許された。各群ともに54週までの経過観察が実施された。

 本演題では、バイオマーカーの血中測定が可能であったMTX単独39例と、インフリキシマブ3mg/kg併用47例、およびインフリキシマブ6mg/kg併用55例のそれぞれが解析に供された。各群で、ICAM-1、IL-1β、IL-8(炎症反応の指標)とCTX、COL2-3/44C、CS846、MMP-1、MMP-3(関節破壊の指標)が測定された。

 結果として、インフリキシマブ併用群におけるMMP-3値、ICAM-1値、IL-8値
は、MTX単独群に比し、6週以内の早期から大きく減少した。また、54週のMMP-3値とICAM-1値は、インフリキシマブ併用群において治療前後のACRN値の変化と有意な逆相関を示した(各p=0.0034, 0.0028)。さらに、MMP-3治療前値が63ng/mL以上であった患者群の54週治療効果をACRNで評価したところ、MTX単独群では改善がわずかであったのに対し、インフリキシマブ併用群では著しい改善を認めた。同じく、ICAM-1治療前値が399ng/mL以上であった患者群の54週治療効果(ACRN)はMTX単独群で乏しく、インフリキシマブ併用群において著しかった。

 ASPIRE試験のメンバー、およびVisvanathan氏らは、炎症を強く認める早期関節リウマチ患者にはインフリキシマブ併用療法が不可欠であることを繰り返し強調している。「MMP-3(関節破壊指標)ないしはICAM-1(炎症反応指標)が、早期関節リウマチ患者に対するインフリキシマブ適応を判断する一助になるかも知れない」とVisvanathan氏は語った。(水田吉彦、医学ジャーナリスト)

*本演題は海外で行われた臨床試験であり、国内未承認用量が含まれます。

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