2004.10.21

【再掲】【米国リウマチ学会速報】 日本人関節リウマチ患者の骨折発生率は年2.6%、初の前向き調査で明らかに

 日本の関節リウマチ患者を30カ月追跡した前向き観察研究の結果、新規の骨折発生率は年2.6%であることが分かった。部位別では肋骨、脊柱が最も多く、骨折原因は転倒・転落が56%と半数以上を占めた。通院患者に限った調査だが、日本の関節リウマチ患者の骨折率について調べた研究はこれが初めてのもので、極めて貴重な知見と言える。東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターの古谷武文氏(写真)が10月20日のポスターセッションC「グルココルチコイドによる骨粗鬆症、および成人・小児の骨関連疾患」で報告した。

 古谷氏らの研究グループは、東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター外来に通院している1689人の関節リウマチ患者(うち女性が1397人)を対象とした。2000年10月から2003年3月までの30カ月間追跡し、新たに発生した骨折について前向き観察研究を実施した。

 その結果、観察期間に110件の骨折が発生した。うち96件が女性、14件が男性で、30カ月間に女性の6.9%、男性の4.8%が骨折を体験したことになる。この結果、1年当たりの骨折発生率は2.6%(女性=2.8%、男性=1.9%)であることが分かった。

 骨折部位は最も多いのが肋骨で17%、以下、脊柱16%、足9%の順だった。骨折原因の第1位は転倒・転落で56%と半数以上を占めた。第2位は事故の9%だが、原因不明の骨折が35%と多かった。

 多変量解析の結果、経口ステロイド薬を服用している患者では非服用者に対する骨折リスクは2倍(8%対4%)と有意に多く、逆にビタミンD(4%対8%)やビフォスフォネート(4%対7%)を服用している患者では有意に骨折が少なかった。

 本研究では対象者が東京女子医大膠原病リウマチ痛風センターの通院患者に限られている。したがって、軽症、低年齢、首都圏の患者が多いといったバイアスがかかっている可能性はある。しかし、同センターは、関節リウマチ患者の登録数が約5000人と世界的に見ても最大級で、国内の総患者数のほぼ1%を扱っており、国内の関節リウマチ患者のQOLにかかわる骨折の実態を知る上で重要な手がかりを提供したことは間違いなさそうだ。(中沢真也)

■ 訂正 ■
 タイトルと第一段落に「骨折発生率は年2.8%」とあるのは「骨折発生率は年2.6%」の間違いでした。訂正いたします。

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